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不妊治療の保険適用で高齢出産を取り巻く環境に変化 人工授精・体外受精の費用はどう変わったか

保険適用される不妊治療の方法と費用は?(イメージ。Getty Images)

保険適用される不妊治療の方法と費用は?(イメージ。Getty Images)

 2022年の出生数が、1899年の統計開始以来、初めて80万人を割り込み過去最低を記録した一方で、40~50代の出産数は増え続けている。昨年4月からは、女性の年齢が43才未満の場合、不妊治療の一部が保険適用になるなど、高齢での出産がしやすくなりつつあるが、リスクの面から語られることが多いのも事実だ──。

30代で初産がいまや当たり前に

 東京都在住の会社員・Tさん(38才)は2年前から不妊治療を続けている。結婚したのは33才のとき。ひと通りの仕事を覚え、社会人としての自信がついてきたタイミングで、6年つきあった同僚の男性とゴールインした。

 結婚から3年、生活が落ち着き、大学の奨学金も返済し終え、「そろそろ子供がほしい」と思ったが、なかなか妊娠しない。そこでようやく、自分の年齢が“高齢出産”とされる35才を超えていることに気づき、不妊治療を始めた。

「自分ではまだ若いと思っていたのですが、出産する年齢となると、私はもう“高齢者”なんだと……。最初はショックでしたが、通っている産婦人科を見回しても、私より年上に見えるかたが多いので、それほど悲観はしていません」

 厚生労働省の調べによると、現在の女性の平均初婚年齢は29.4才、初産の平均年齢は30.9才だ。結婚自体が遅いのだから、初産がさらに遅くなるのは自然な流れだ。出産ジャーナリストの河合蘭さんもこう語る。

「高齢出産が増えている背景には、晩婚化があります。正規社員ですら仕事を長期で休むタイミングを考えると出産を躊躇しがちなのに、いまの女性に最も多い雇用形態は“非正規雇用”。経済面を考えると、出産はもちろん、結婚すらハードルが高いんです」

 いまや、出産するなら高齢出産を選ばざるを得ない状況になっているのだ。

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