「好きなメンバーがライブで他の人にファンサ(ファンサービス)をしているのも嫌だし、自分がいちばんそのメンバーのことを好きだと思いたい。同担の人と交流しなければ、とりあえず“私の中では私が一番”となりますからね。
あと、性格も歌もダンスも魅力的なのに、“ただ見た目がカッコいい!”みたいな理由で、そのメンバーのことを好きだというファンがいると、腹が立ってしまうんです。自分の担当ではないメンバーでも、軽い感じで推しているファンがいるとイライラするし、ならばもうソロで推し活したほうがいいかなって」
またBさんは、家族以外には推し活をしていることを明かしていないという。
「学生の頃からファンクラブに入っていて、その頃の友人は私がアイドルのファンであることを知っていました。でも、当時“今度、私もライブに連れてってよ”みたいな感じで、気軽に言ってくる人がいたんです。私がどれだけ苦労してチケットを取っているかも知らないで、そういうことを言われるのは結構ツラい。断るにしても言葉を選ばなければならないし、事情をよく知らない人にいろいろと言われてしまうのがストレスでしかないので、ひっそりこっそり応援することにしました」(Bさん)
ファン同士のマウンティングに辟易
ファンコミュニティーのなかでは、時折“マウンティング合戦”が勃発することもある。それが嫌でソロ推し活に切り替えたというケースもあるようだ。神奈川県に住む自営業・Cさん(40代男性)は、主にライブハウスで活動する複数の女性アイドルグループを応援している。
「いわゆる“地下アイドル”が好きで、いろんなグループのライブに行っています。現場で知り合って仲良くなったファン仲間もいて、ライブ後は飲み会というのがお決まりのパターンになっていました。
でも、そこで繰り広げられるのが“誰々から私信を受けた”とか、“あのメンバーは俺への対応が他のファンよりも手厚い”といったマウンティングだらけなんですよね。それが面倒くさくて……」
ファン同士の“自慢合戦”ならまだマシで、時にはネガティブな方向に話が向かっていくこともあるようだ。
「“あのグループはもうダメだな”とか“あのメンバーはやる気がない”とか、ネガティブな話題しか話さないファンもいるんですよね。“お前、まだあの現場行ってるの?”みたいな感じで、自分が推しているグループを貶してくるファンもいる。悪気があるわけではないのはわかってるんですが、やっぱり気分は悪いです。こういうオタクと一緒にいると、普通に楽しめないなと思って、現場も1人で行くし、ライブ後の飲み会も参加しなくなりました」(Cさん)