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そごう・西武売却は「百貨店モデル終焉」の象徴に 猥雑さが漂う巨大繁華街「池袋」再開発の行方

池袋はこれからどう変わっていくか(西武池袋本店/時事通信フォト)

池袋はこれからどう変わっていくか(西武池袋本店/時事通信フォト)

 セブン&アイホールディングス(HD)は9月1日、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに対し、傘下の百貨店「そごう・西武」を売却した。これにより、JR、東武鉄道、西武鉄道、東京メトロの4路線が乗り入れるターミナル駅・池袋の「顔」だった百貨店の主要部分に家電量販店のヨドバシカメラが出店する見通しだ。街はどう変わるのか――。

 昨年11月、業績低迷を理由にセブン&アイHDは売却を決めたが、そごう・西武の労働組合は反発し、地元の豊島区も反対を表明。今回、労組は大手百貨店では61年ぶりというストライキに踏み切った。しかし、流れは変わらなかった。「百貨店というモデルが終焉を迎えた、その象徴的な出来事として記憶されると思います」と語ったのは経済ジャーナリストの磯山友幸氏だ。

「かつて百貨店は、上層階にレストランや美術館があって、そこへ行くことがエンターテイメントでした。ところが今は週末の買い物で足を運ぶ先といえば郊外型のショッピングセンターが定番。舞浜イクスピアリ(東京ディズニーリゾート内)のように、アミューズメントと商業施設が一体となったスポットがいくつもできてきた。

 これに対して池袋という立地に目を転じると、仕事帰りに買い物に立ち寄るぐらいには便利でも、そこで1日を過ごすような場所としては見劣りする状況があります」

 池袋駅は新宿駅に次ぐ乗降客数(約260万人)を誇る巨大ターミナルではある一方、4分の3を乗り換え客が占め、駅の外にまで足を伸ばす人は4分の1程度と、その割合は新宿や渋谷よりも低い。

 今回の売却スキームでは、そごう・西武の新しい親会社となるファンドから、西武池袋本店の土地などをヨドバシHDが取得した。ヨドバシが大家になり、そごう・西武が店子という新しい関係になる。エルメスやルイ・ヴィトンといった高級ブランドが店を構えてきたが、売却後にヨドバシカメラが主要フロアを占めれば、従来のテナントは押し出される。

「すでにどこの百貨店も全フロアを自前で維持するのは難しい状況がある」と磯山氏が指摘するように、例えば有楽町駅前にあったそごう東京店は2001年にビックカメラに、西武池袋本店の斜め前にある旧三越池袋店は、2009年にヤマダ電機に変わった。

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