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【日本初のレベル4】永平寺町で始まった「運転手不在の自動運転」サービス 過疎地域の交通の切り札としての期待

ゴルフカートをベースにして開発された7人乗りの自動運転車

ゴルフカートをベースにして開発された7人乗りの自動運転車

 大阪府南東部で路線バスを運行する金剛自動車(大阪府富田林市)が路線バス事業を12月20日付で廃止することを発表するなど、深刻化の一途をたどるドライバーのなり手不足問題。無人で走る自動運転の早期実現が待たれるところだが、禅宗の1つである曹洞宗の大本山がある福井県永平寺町では、完全無人で走行する「レベル4自動運転ZEN drive」の移動サービスが始まっている。

 自動運転のレベルは0~5までの6段階があり、レベルによって走行環境や領域が決められている。レベル4は限定された条件のもとでの完全な自動運転で、4月1日の道路交通法改正で解禁された。

 なぜ永平寺町かというと、同町では遠隔型自動運転システムを用いた自動運転の実証実験に取り組んできたからだ。

「2018年から遠隔自動運転の実証実験を開始し、2021年3月からはレベル3遠隔型自動運転システムによる移動サービスが始まりました。公道を利用した実験なので、開始前には地元住民の方に向けた説明会を何度も行ないました」(永平寺町役場・山村徹さん)

 永平寺町は、いわば自動運転の先進地域であり、今回の法改正を受けて、5月21日からレベル4での自動運転移動サービスが開始されたのである。

 町の委託を受けた第三セクター「まちづくり株式会社ZENコネクト」が運営しており、利用料金は大人100円、中学生以下50円(未就学児は無料)。現在は土・日・祝日のみの運行で、10〜12時、13〜15時の間に20分間隔で走る。永平寺町は豪雪地帯で、12月〜2月は積雪に備えて運休する。

 車両はゴルフカートをベースにした電動自動車で、定員は7人。最大時速12kmで、「永平寺参ろーど(全長約6km)」内の荒谷停留所〜志比停留所間の約2kmを走行する。荒谷停留所付近には、名物の永平寺そばが食べられるそば屋「りうぜん」、禅修行の修行僧の貴重なタンパク源だった「ごまどうふ」を売る「永平寺胡麻豆腐の里 團助」などがある。

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