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精神科医が教える「記憶に定着させる」読書術 カギとなるのは「アウトプット」と「脳内物質」

記憶に残りやすい読書術とはどのようなものか(写真:Getty Images)

記憶に残りやすい読書術とはどのようなものか(写真:Getty Images)

 本を読んでもその内容をあまり思い出せないということはないだろうか。自分の糧となるような読書をするためには、読んだ内容を記憶に定着させることは重要だ。では、どのようにおこなえばよいのだろうか? 著書『読書脳』 が話題の、精神科医・樺沢紫苑氏が解説する。

1週間に3回アウトプットすると記憶される

 読書をしても、その本の内容を忘れてしまっては意味がありません。「記憶に残す」。すなわち自分の血となり肉となる、自己成長の肥やしになるような読書。自分が変わり、人生が変わるような読書が必要です。

 そのためには「読んだら忘れない読書」をしなくてはいけません。では、具体的にどうすれば記憶に残るのでしょうか?

 それは、「受験勉強」における英単語の暗記がヒントになります。

 私たちは中学や高校のときに、よく英単語の暗記をしました。どうすれば英単語を効果的に暗記できるのでしょうか? 暗記術の本によると、一回暗記したら、翌日に再度チェックする。さらに暗記した日から3日目にチェックする。さらに最初に暗記した日から1 週間後にチェックする。この段階で覚えていると「暗記された」ということで、長期間にわたって記憶が定着した状態になるといいます。

 1、3、7日目に復習する。最初にインプットされてから、「1週間で3回アウトプットすると記憶に残る」といったことが、いろいろな本に書かれています。

 さまざまな脳科学研究を集約すると、最も効果的な記憶術として「最初のインプットから、7~10日以内に3~4回アウトプットする」ということが明らかになっています。それが受験勉強にも応用されているのです。

 人間の脳には、膨大な情報が流れ込んでいます。そして、それが毎日続きます。そうした情報を全て記憶すると、人間の脳はたちまちパンクしてしまいます。ですから人間の脳は、入力された情報のほとんどを忘れるように作られています。正確にいうと「重要な情報」以外は、全て忘れるようにできているのです。

 脳が「重要な情報」と判断する基準は2つです。「何度も利用される情報」と「心が動いた出来事」です。

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