好意につけこみ投資詐欺へと誘導する「ロマンス詐欺」の実態　筆者の元にも届いた「心の隙間」に入り込もうとする手口

　恋愛感情を利用した「ロマンス詐欺」が増えている。そのなかで、相手からの好意を利用して投資詐欺に誘導するものもあり、注意が必要だ。『世界一楽しい！会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう！」。第65回は、「ロマンス詐欺」について。

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　相次ぐ値上げで生活が窮屈になり、なんとなくお金に不安を持つ人が増えています。そんなタイミングで、新NISAもスタートすることから、投資に対する関心は、かつてないほど高まっているように感じます。そこで、増加しているのが投資詐欺です。まさか自分は関係ないだろうと思っていると、大きなトラブルに巻き込まれるかもしれません。

最近増えている詐欺の手口

　ここ数年、とくに増えているのが「ロマンス詐欺」と呼ばれる、恋愛感情を利用した詐欺です。国民生活センターによると、出会い系サイトやマッチングアプリなどに関する相談は、2020年1万599件、2021年1万260件、2022年8824件とやや減少はしているものの、非常にたくさんの相談が寄せられています。

よくある手口の手順

　では、ロマンス詐欺はどのように行われているのでしょうか。以下、よくある手口の手順を紹介してみます。

【1】出会い系サイトやマッチングアプリなどで、外国人を名乗る相手とマッチングが成立（InstagramやFacebookのメッセージで連絡がくる場合も）

【2】LINEに誘導され、恋愛感情を持つようなやり取りをしたあと、投資をすすめられる（マッチングアプリでそのままやり取りしていると、途中で運営サイドに通報されるリスクがあるため）

【3】指示通り送金すると、投資サイト上で利益が出ているように表示され、さらに高額投資を勧められる

【4】さまざまな名目で入金を要求され、出金できない

【5】マッチング相手、投資サイト運営事業者と連絡が取れなくなる

　こういった場合、途中からなにかおかしいと感じても、恥ずかしくて誰かに相談できないという人も多いようです。