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インボイスで「消費税二重取り」の巧妙手口、財務省の試算以上の税収増の可能性 最終的な負担は国民に

負担は全て消費者に

 財務省のインボイス導入の狙いは、「免税業者」を取引から排除させ、売り上げ1000万円以下でも消費税納税の義務がある課税業者(インボイス登録)を選択させることだと指摘されてきたが、そうではない。財務省にとっては、たとえ免税業者が課税登録しなくても、この「消費税二重取り」の仕組みがあれば消費税をどんどん二重取りできるから好都合なのだ。

 財務省はインボイス導入後は「益税」の減少で2480億円の税収増になるとの試算を発表しているが、実際は、二重取りによってそれをはるかに上回る増収になる可能性が高い。

 しかも、インボイス導入で税負担が増える事業者は、当然、損しないためにその分を小売価格に転嫁して値上げする。国が二重取りする消費税は最終的には全て消費者が負担させられるのだ。

 岸田文雄・首相は「物価高騰対策」で所得税減税すると言いながら、財務省が仕組んだこの消費者を苦しめるカラクリに頬被りを決め込んでいる。

※週刊ポスト2023年12月1日号

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