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同棲当時に共同購入した家具を勝手に売却した元カレ「この代金は慰謝料としてもらう」の言い分は通用するのか? 弁護士が解説

共同購入した家具なのに…(イラスト/大野文彰)

共同購入した家具なのに…(イラスト/大野文彰)

 同棲中のカップルが共同で購入した家具は、誰の所有物なのか。どちらかが勝手に売却してもよいのだろうか。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。

【相談】
 娘のことで相談です。娘は2年ほど彼氏と同棲していましたが、別れてその家を出ました。その後、「共同で購入した家具や家電を分けてほしい」と頼みましたが、彼はすでに売り払ってしまい、「おれは別れたくなかったから、この代金は慰謝料としてもらう」と言っています。

 別れた主な原因は、性格の不一致です。それでも慰謝料を支払う必要があるのでしょうか。娘が気に入っていた家具などを勝手に売り払ったのに、代金をもらうことはできないのですか。(東京都・58才・主婦)

【回答】
【1】同棲中の家から出て同棲を解消したことで慰謝料支払い義務があるか?
【2】彼が売り払った家具等の代金の半分を要求できるか?

 この2点をお尋ねですが、まず【2】の前提として、そもそも彼が共同購入した家具等を勝手に処分できるか、という問題があります。

 共同購入とは、2人でお金を出し合って買ったということでしょうが、その場合、家電や家具は共有物になり、特約がなければ各共有者の持ち分は等分と推定されます。そこで、2人は家具等について2分の1ずつの権利を持っていたことになります。

 彼は、家具等について2分の1の権利しかなかったのですから、娘さんの同意がない以上、自分の持ち分を超えて娘さんの持ち分まで売る権利はありません。つまり、勝手に売却できません。

 娘さんが家を出るときに持ち分を放棄していれば、彼の単独所有になりますが、明確な放棄の表明がなければ、持ち分を放棄したとはいえません。よって彼は、娘さんの共有持ち分を他人に売り渡して回復不能にしたのですから、その権利を侵害し、持ち分相当の損害を娘さんに発生させた不法行為をしたことになります。そこで娘さんは、少なくとも売値の半額を損害賠償として請求できます。

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