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「ジュリアナ東京」を立ち上げた元グッドウィル折口雅博氏が語る“バブル期経営者の強烈なリーダーシップ”「当時は加点主義だった」

バブル時代のビジネスの空気感は、今と何が違ったか(写真はジュリアナ東京)

バブル時代のビジネスの空気感は、今と何が違ったか(写真はジュリアナ東京)

 日経平均株価の高騰が続き、さながら「令和バブル」前夜の様相を呈している昨今。我々がバブル経済を振り返るとき、いまだに「バブル崩壊」から想起される反省や嫌悪のイメージは大きい。しかし、あの時代の好景気の理由を今こそ見つめ直すことで、この国の今後が見えてくる。

 1991年、時代の象徴となった東京・芝浦のディスコ「ジュリアナ東京」を立ち上げた元グッドウィルグループ会長の折口雅博氏(現・ブロードキャピタル・パートナーズCEO)は、バブル期の経営者の「強烈なリーダーシップ」が忘れられないという。

「バブル時代を代表する経営者は、やはり大胆だった。そしてリスクを取っていた。新しい投資や新規事業への参入、M&Aでも、大胆であることが許された時代でした。

 この空気が若手を躍動させたのです。1980年代の大企業の入社式といまの入社式を見比べたらよくわかる。昨今は全員黒か紺のスーツに白シャツと画一的になりましたが、1980年代はダブルのスーツでネクタイも紫だったり個性のある華やかな服を着る人が多くいました。若者の自己主張をおおらかに受け止める文化がありました」

 バブル時代の「人事評価」も時代を動かす大きな役割を果たしたと折口氏は話す。

「当時の人事評価はいわば『加点主義』だったんです。だからこそ僕も1985年に日商岩井に入社してまもなく、ジュリアナ東京を計画することができた。それがバブル崩壊後は失敗を恐れるあまり『減点主義』に変わってしまった。“イケイケは良くない”と経営者も社員も目立たず慎重に、小さくまとまる。これにより日本からテスラのイーロン・マスクのような傑物が生まれる土壌が削がれた。バブル時代を丸ごと否定したことこそ、『失われた30年』の原因ではないかと私は思います」

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