吉田みく「誰にだって言い分があります」

「缶コーヒー1本だけ?」業者に頼まない“自力で引っ越し”の落とし穴 手伝いのお礼が多すぎると損をするし、少なすぎると友人が不満

繁忙期と「2024年問題」が重なる今年は「引っ越し難民」増加の懸念も(イメージ)

繁忙期と「2024年問題」が重なる今年は「引っ越し難民」増加の懸念も(イメージ)

お礼は「缶コーヒー1本」

 引っ越しの手伝いを引き受けて「損した」と嘆く人もいる。都内在住の会社員・ナオキさん(仮名、25歳)が言う。

「先日、『引っ越しの手伝いお願いできませんか?』と大学のサークルで一緒だった後輩に頼まれました。引っ越し業者に見積もり依頼をしたところ、繁忙期ということで希望のスケジュールが押さえられないうえ、料金も予想以上に高く、予算オーバーだったそうです。一人で頑張ろうにも彼は運転免許を持っておらず、困っていたようでした」(ナオキさん、以下同)

 ナオキさんは後輩の頼みを快諾。「本当にありがとうございます!」と大喜びだったそうだ。レンタカーの運転はナオキさんが担当することになったが、もっと人手が欲しいと考えたナオキさんがサークル仲間に事情を話し、2人に手伝ってもらうことも決定した。

「男性の一人暮らしで荷物も多くなく、同じエリア内の引っ越しだったので、作業自体は大変ではありませんでした。男性4人で半日かからず終了。でも、問題はその後だったんです」

 作業が終わり、「助かりました! ありがとうございます!」と言いながら後輩が差し出したのは、「缶コーヒー1本」だったという。

「『では! また集まったりしましょうね!』とだけ言われ、解散となったんです。引っ越しを手伝ったら食事くらいご馳走してもらえるものかと思っていただけに驚きました。車の運転、仲間への声掛けは私がやったのに……」

 ナオキさんが誘った仲間も同様の考えを持っており、「……お礼とかないんですかね」「俺たちの働きは缶コーヒー1本分か」などと文句を言っていたという。

 結局、2人に声をかけたナオキさんが作業のお礼として食事を振る舞い、その場は落ち着くこととなった。飲食代は3人で2万円弱かかったが、後輩に請求するわけにもいかず、ナオキさんとしては大きな出費だったと嘆いていた。

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