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【相続登記義務化】実家の相続で揉めた時は「相続人申告登記」で猶予期間を確保 法務局の専用サイトからネット経由で申請できる

4月1日から変わった「相続登記」の手続きフローチャート

4月1日から変わった「相続登記」の手続きフローチャート

申請を忘れると過料も

 相続人申告登記はあくまで“猶予期間”を作る暫定的な手続きだ。

「相続人申告登記の後に遺産分割協議がまとまったら、その日から3年以内に改めて相続登記を申請する必要があります。この申請を怠ると相続登記の義務違反になり、過料を科されます」(野谷氏)

 相続登記までの“猶予期間”が与えられるからといって、遺産分割協議を先延ばしにしてしまうことは避けたい。

 相続発生を知ってから10か月以内に遺産分割協議をまとめないと、相続税の申告時に配偶者控除や小規模宅地等の特例が使えなくなり税額が大幅に増えることがある。

 2023年4月には「10年ルール」も設定された。司法書士・旭祐樹氏が語る。

「相続開始から10年経つと、遺産分割協議で被相続人の利益に貢献した相続人の相続分を多くする『寄与分』などの主張ができなくなる新ルールができました」

 手続きは迅速に進める必要があり、相続登記の義務化が相続する人にとって面倒を生じさせることは確かだ。しかも、固定資産税評価額の0.4%分の登録免許税がかかる。仮に固定資産税評価額が2500万円超の不動産なら、「手続きせずに10万円の過料を払ったほうがラクでは」という考えさえ頭をよぎるかもしれないが、「放置するのは得策ではない」と旭氏。

「相続登記違反のペナルティは1度とは限らず、将来的に回数や金額が増える可能性があります。一方で、激変緩和でさらなる猶予期間が設けられる可能性もある。そうした動きを注視しながら相続登記の準備を進めておくといいでしょう」

※週刊ポスト2024年4月12・19日号

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