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気遣いのつもりでも「いい人を紹介するよ」がNGの理由 令和の時代にコンプライアンスという“配慮”が求められるようになった経緯

かつては“当たり前”だった言動が今では軒並みNGに(イラスト/地獄カレー)

かつては“当たり前”だった言動が今では軒並みNGに(イラスト/地獄カレー)

 昭和から令和にタイムスリップした主人公の悲喜劇を描いたドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)が、X(旧ツイッター)でトレンドワード1位になるなど話題になった。視聴者を引きつけたのは、昭和と令和の価値観のズレ。昭和で当たり前だった言動が、令和では“コンプライアンス違反”として批判されるというわけだ。

 そもそも「コンプライアンス」とは何か。

「法令遵守のことで、本来の意味は、企業が法律などを守り事業活動を行うことでした。しかし、いまその範囲は、環境基準や労働環境、社会的責任を果たすためのルールやモラルを守ることにまで及んでいます」

 とは、弁護士の田畑淳さんだ。2000年代にアメリカで、企業の粉飾決済などの不祥事が相次いで発覚。これにより、法令遵守と社会的責任が重要視され、この概念が日本にも広がった。

「法の範囲内なら企業は何をやってもいいのか、いや違う、社会に対する責任をきちんと果たそう。そのためにはモラルなどにも気をつけようという風潮になっていったのです」(田畑さん)

 こうした風潮は、友人や家族などの個人間にも浸透し、絶縁や離婚などのトラブルの原因にもなっている。いまは公私にわたり、コンプライアンスという“配慮”が求められるようになったのだ。

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