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「大学生活は丸ごとコロナ禍」2024年新卒社員の育成の鍵 上司からの「プライベートな質問」がモチベーション向上につながることも

仕事の進め方や対人マナーなど、「型通り」にも意味がある(イメージ)

仕事の進め方や対人マナーなど、「型通り」にも意味がある(イメージ)

「守」の時期をうまく導くこと

 Z世代を評して「指示待ちだし、チャレンジしない」とよく言われるが、それは「言われたことが確かにできる」ようになった次の段階の話だろう。

 北氏はZ世代を導くのに役立つ考えとして、武道の「守破離」という言葉を挙げる。まずは既存の型通りに、見よう見まねでその通りやって基本を身に着ける「守」の段階。次に他の人の教えや考えでよいものを取り入れ、既存の型を発展させていく「破」の段階、さらには基本や応用からも離れ、個性や独自性を発揮していく「離」の段階である。

 この考えに立てば、まずは先輩をマネて型を身につけていく新人時代は「守」の時期と言える。20代も後半になればみんな同じように型通りに育つわけではなく、どうしたって個性や独自性が出てくる。この段階になるともう「コロナ禍学生世代」云々の話ではなくなってくるだろう。

「『破』の段階になったら、『どう思う?』と聞いていくことだと思います。教え諭す、指示するという段階から、相手のよいところを引き出していく段階。つまりコーチングに移行するのです」

 いいところが出てきたら権限を委譲すべきだが、それでも上司と同じレベルの仕事をできるわけがないのだから、「3割動いてくれれば御の字」と考えることも大事だろう。そうするなかで個性や独自性が自然と出てくることを期待したい。「コロナ禍の影響」を気にするより、根本的な育成のあり方を見つめ直すきっかけにしたいところだ。

取材・文/岸川貴文(フリーライター)

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