吉田みく「誰にだって言い分があります」

「いっそのことキャリアを諦めて…」職場復帰のために0歳児保育を利用し始めた30代ママの葛藤 仕事と育児を両立する難しさを痛感

育休からの職場復帰を前に不安を覚える人は多い(写真:イメージマート)

育休からの職場復帰を前に不安を覚える人は多い(写真:イメージマート)

 新年度のスタートと同時に保育園に入園した子供を持つ保護者の場合、5月1日以降、育休からの職場復帰となるケースが多いようだ。初めての出産や育児を経験した人などは、保育園の入園と職場復帰のタイミングが重なることで、目まぐるしい生活の変化を余儀なくされるケースもある。フリーライターの吉田みく氏が、「育休からの職場復帰が不安」という30代女性に話を聞いた。

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 新年度がスタートし、育休からの職場復帰が近い人も多いのではないか。仕事と育児の両立をめぐっては希望の保育園に入所すること自体が一苦労だが、入園後も様々な困難に直面する家庭は多い。

 埼玉県在住の会社員・カナさん(仮名、32歳)は、育休からの職場復帰がスムーズにいくようにと、今年4月から0歳児保育を利用し始めたという。

「昨年の8月に初めての出産を経験し、お世辞にも育児に慣れたとは言えない状況ですが、決心して今年4月から保育園を利用し始めました。私の住む地域は同世代の子育て世帯が多く、職場復帰後の育児を考えると、倍率は高いけれどアクセスのいい駅前の保育園に預けたかった……。そこで、育休を早めに切り上げ、比較的入りやすいとされる0歳児からの入園を決めました」(カナさん、以下同)

 カナさんの話によると、入所を決めた保育園は1歳児の募集も例年あるが、競争率がかなり高いとのことだった。育休を長く取ることで保育園難民になり、キャリアを諦めなくてはいけなくなるリスクを考え、育休を短期間で切り上げる道を選んだという。

「保育園の送迎は私の仕事」

 4月からの保育園生活について、「想像していたよりもハードな毎日に衝撃を受けた」とカナさんは言う。

「自宅から保育園まで徒歩15分の距離ですが、保育園の準備を持って、抱っこひもで我が子を抱えて行くのは想像以上に大変でした。ちなみに4月中は慣らし保育で短時間保育のため、現在も育休中です。

 ただ、ゴールデンウィーク明けからは職場復帰となるので、出勤の身支度もこなしたうえで保育園まで送り届けるとなると、一体何時に起きて準備を始めればいいのか不安で仕方がありません。もう少し大きくなれば自転車に乗せることができるので、それまでは耐えて頑張ります」

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