田代尚機のチャイナ・リサーチ

中国で物価上昇局面が続く 株式市場に資金流入期待

 政策から判断しても今後、物価は上昇しそうである。

 今年は供給側改革が加速し、供給過剰産業の生産能力、生産量の調整が進み、総供給が調整される。一方で、「北京・天津・河北一体化」、「長江経済ベルト」、「一帯一路」戦略などの長期政策や、PPP(公民一体)関連プロジェクトが加速することでインフラ投資が増え、総需要は拡大するだろう。

 不動産に関しては、中央に加え、地方政府が各地の状況に照らし合わせ、不動産価格コントロール政策を強化している。株式市場に関しては、当局は投機を厳しく取り締まる姿勢を示している。

 さらに金融政策の面では、中国人民銀行は、金融レバレッジを縮小させること、つまり、金融機関に対して理財商品の無謀な拡大、国債の投機、過剰な不動産融資、不動産ローン、証券会社の信用取引業務拡大のための資金供給などを押さえようとしている。

 実物市場に資金がより効率的に回ることになりそうで、物価上昇は続きそうだ。

 金融政策が中立気味に引き戻されているが、景気が過熱しているような状況とは程遠い。株式市場は物価上昇局面では強い相場になりやすい。エネルギー、素材関連に加え、インフラ投資拡大で恩恵を受ける建設・エンジニアリングなどに今後も資金が流入しそうである。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。