住まい・不動産

団塊世代の悲劇 「遠距離通勤マイホーム神話」のなれの果て

 団塊世代が30歳前後になり、結婚し、世帯を持ち始める昭和55年ごろになると、東京区部や横浜市、さらに川崎、武蔵野、三鷹、多摩で団塊世代が減少し、我孫子、柏、八千代、春日部、所沢、越谷、相模原など、東京30km圏域の新興住宅地で増加する。

 さらに、40歳代になると、団塊人口は横浜、松戸、千葉、市川、船橋、武蔵野などから、八王子、川越、大宮、浦和、町田、柏、川越、所沢へ移動。さらに、40kmを超える佐倉、東金、蓮田、東松山、加須、鴻巣などで団塊人口が急増している。

 つまり、若い頃に地方から東京へ大量流入し、年を経るごとに、30km圏、40km圏へと追いやられてきたのである。

 誰が一番早く家を買うかで、友人や同僚と争うようにして郊外のニュータウンや新興住宅地で家を買い求めたのは当人たちの“自己責任”とはいえ、今や高齢化と人口減少で空き家がどんどん増え、ゴーストタウン化の危機に瀕している。引っ越そうにも家が売れないから、古くなった家にしがみつくしかないのである。

 それでも下の世代は、「給料にしても年金にしても、俺たちより恵まれているじゃないか」と言うかもしれない。しかし、団塊世代は下の世代に比べ、教育を受ける機会すら与えられなかった。

 団塊世代が高校受験した昭和37年の高校進学率は64%、大学受験をした昭和40年の大学進学率は17%である。これが10歳下になると、昭和47年の高校進学率は87.2%、昭和50年の大学進学率に至っては38.4%と4割近くに達している。そして今や、大学全入時代である。

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