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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「いつかキミは取り返しのつかない失敗をするよ?」酒飲みを見下す“禁酒成功者”の上から目線の言葉に辟易 心配してるふりをしながら実際はマウンティング

行きつけの居酒屋でビールを飲む筆者

行きつけの居酒屋でビールを飲む筆者

「酒は百薬の長」という言葉もあれば、「されど万病のもと」と続くことも。アルコールの健康への影響については昔からいろいろと言われているが、それでも酒を愛する人は多い。そうしたなかで、かつて呑兵衛だった人が禁酒に成功すると、今度は酒を猛烈に毛嫌いするようになり、さらには酒飲みをバカにするようになるケースもあるようだ。今でも毎日酒を飲み続けているネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、自身に向けられた禁酒成功者からの上から目線の言葉を振り返り、彼らがなぜそのような振る舞いをするのかについて考察した。

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 知人で酒飲みから酒を一滴も飲まない人間に転向した者を多数知っています。彼らが好きな言葉はこんな感じ。

「もう酒なんて飲みたくないね~。ウーロン茶とジンジャエールで十分。つーか、味自体はソフトドリンクの方がウマい」
「酔うという感覚、あれはただ脳が麻痺しているだけ。だからバカなことをやっちゃうんだよ」
「なんでオレはあんなに酒飲んでいたんだろう、今考えると本当にバカバカしい。時間もカネもさ」
「禁酒をしてから、酒を飲みたいという気分に全くならない。今はなんであの頃酒を飲んでいたのだろうか、とさえ思うほど」

 私自身は今でも大のビール党で毎日のように飲んでいるのですが、そんな私に対する彼らの陰口も聞こえてきます。曰く、「あいつは酒で支離滅裂なことを言い出すからな。いつかとんでもない事態を起こすだろう」「あいつは飲み過ぎて脳細胞が破壊されてバカになっている」など……。そして、直接会う時は「キミ、飲みすぎだよ。飲まなければもっといい原稿が書けるはずだ」「ちょっと飲みすぎじゃないの? オレみたいに禁酒してみれば? けっこうすぐ慣れるものだよ」「キミは酒で取り返しのつかないミスをして、せっかくの立場を失いかねない」と言ってくる。

 挙句の果てには「飲み歩くのではなく、その時間、家庭を大事にした方がいい」なんて人の生き方にさえ文句をつけてくる。酒をやめた後で、完全に酒を憎むようになってしまっている人が少なからずいるのです。一体なぜこうなるのかといえば、自身が酒で散々失敗をやらかした過去があるからでしょう。

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