1株から投資できる「ミニ株」をどう使うか
アメリカのトランプ大統領の関税政策に世界が動揺し、日経平均株価も大幅下落。投資家にとっては、「落ちるナイフは拾うな」という格言が脳裏をよぎるかもしれない。とはいえ、“底打ち”の見極めは誰にとっても難しいもの。そこで選択肢となるのが、1株や10株から買い付けできるミニ株(単元未満株)だ。下落局面でリスクを抑えつつ投資するために、ミニ株をどう活用すればよいか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第137回は、「ミニ株」について。
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米国のトランプ大統領の発言が波紋を広げています。現地時間の4月2日、世界各国からの輸入品に対して相互関税をかけると表明したことで、世界の株式市場は動揺。日経平均株価も連日の大幅下落で年初来安値を更新しています。
こうした急落局面で、よく耳にするのが「落ちるナイフは拾うな」という格言です。これは、ナイフが落ちている最中に手を出すとケガをするように、下落中の株に手を出すとさらに下がって損をする、という意味。「底値を狙って買うのは危険だから、反発の兆しが見えるまで待て」という投資の教訓です。
とはいえ、大きく下がった今こそチャンスでは?と思う自分もいます。そこで今回は、初心者でもリスクを抑えつつ“拾いたくなるナイフ”に手を伸ばせる方法をご紹介します。
ミニ株(単元未満株)で「小さく拾う」
注目したいのは、少額で始められる「ミニ株投資」。通常は株を買うには100株単位が必要ですが、証券会社によっては1株から購入できます。たとえば、1株1000円の株を買って10%下落しても損失は100円。これなら精神的にもダメージは小さくて済みます。
一般的に“ナンピン買い(下がったら買い増すこと)”はリスクが高いと言われますが、ミニ株なら少しずつ買い足すことで平均取得価格を調整でき、反発時のリターンも期待できます。