今週のドル円はどう動く?
投資情報会社・フィスコが4月21日~4月25日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。米トランプ政権がドル安政策を模索するとの見方はいったん後退し、ドル買いに振れやすい。ただ、米中貿易交渉の行方は不透明で、ドル売り圧力は続くだろう。4月16日から始まった日米関税に関する協議は軍事支援の費用負担、貿易の公平性のほか、安全保障も議題となった。為替については言及されなかったもようで、ドル安を模索するとの観測は一服しドル買い要因となる。
ただ、先週発表された米経済指標は強弱まちまち。小売売上高は想定外に強く、消費の旺盛さが示された。半面、フィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナスに落ち込み、スタグフレーション懸念でドル売り圧力になる。今週の注目材料となるPMIは製造業とサービス業は悪化が予想されている。不確実性が高まるなか、景気減速が示された場合、ドル売りを強める可能性があろう。
一方、米中通商摩擦で両国の関税率が引き上げられたが、今後の交渉に期待が高まっている。半面、先行きは不透明から米高関税政策による信認低下のドル売りは継続する見通し。もっとも、米株高ならドルの過度な下げを抑制しそうだ。
【米・4月製造業・サービス業PMI】(23日発表予定)
23日発表の4月PMIは製造業が49.3、サービス業は53.0と悪化が予想され、スタグフレーション懸念が強まればドル売り材料に。
【日・4月東京都区部消費者物価コア指数】(25日発表予定)
25日発表の4月東京都区部消費者物価コア指数は前年比+3.2%と、前回+2.4%を大きく上回る見通し。ただ、不確実性が高まるなか利上げ観測による円買いは限定的か。