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ビジネス

楽天モバイルが2026年から始める「衛星モバイル・サービス」の巨大なインパクト 原理的に「面積カバー率100%」で船の上でもつながる、有事に強いサービスとして世界が注目

衛星モバイルサービスについて語った三木谷氏

衛星モバイルサービスについて語った三木谷氏

「船の上でもつながる」

 現在、携帯各社の人口カバー率はほぼ100%に達しているが、人口が極端に少ない離島や山岳地帯はここに含まれない。一方、地上730キロメートルで電波を送受信する衛星モバイルは日本の全国土、領海を漏れなくカバーするため、面積カバー率が100%になるのだ。

 それを可能にするのが、宇宙空間に巨大なアンテナを広げるASTの衛星だ。アンテナの面積は223平方メートル。テニスコート1面分の広さである。スターリンクの衛星で使われているアンテナの36倍だ。

 市販のスマホが発する電波は微弱だが、ASTの衛星はこの「巨大でパワフルな耳」で弱いシグナルを漏れなく拾い、離島や山岳地帯にあるスマホにもきちんと電波を届ける。

「船の上でスマホがつながらない、という漁師さんの悩みも解決できる」

 三木谷氏は笑いながら言うが、恩恵を受けるのは漁師だけではない。海でも山でも日本の領域なら、地上のネットワークが届かないところでも通信が可能になる。つまり地震や津波、豪雨で地上の基地局が損壊しても通信できるということだ。企業や政府が衛星モバイルに強い関心を示しているのは、インフラとして強靭だからである。

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