パチンコメーカーからなる日本遊技機工業組合では「ラッキートリガー3.0プラス」を紹介する動画を公開している(KIBUN PACHI-PACHI委員会ホームページより)
大きな出玉を獲得する可能性が高まる一方、大負けする可能性も
パチンコに新たな楽しみを与えることとなりそうなラッキートリガー3.0プラスだが、必ずしもメリットだけではなさそうだ。藤井氏はこう話す。
「ラッキートリガー突入率が高まることで射幸性が高くなります。それはつまり、一撃で大きな出玉を獲得する可能性が高まる一方で、大負けする可能性も高まるということ。今までのパチンコの歴史を見ると、射幸性の高い機種が人気になる傾向があるものの、1回の遊技で使うお金が増える可能性があり、ユーザーへの負担が大きくなってしまう。ユーザー離れが深刻化している現在のパチンコ業界では、既存ユーザーの消費を増やすことよりも、新規ユーザーの獲得が重要です。そういう意味では、ラッキートリガー3.0プラスの登場で既存ユーザーの負担が大きくなるのは、必ずしも望ましいとは言い難い。
ラッキートリガー3.0プラスによってゲーム性の幅が広がることで、射幸性の高い機種だけでなく、いろいろなタイプの機種が出てくるだけなら、単純に選択肢が増えるという意味で歓迎すべきことだと思います。しかし、ホールとしては稼働率が高く、利益が出やすい機種を多く導入したいというのが本音であり、相対的に射幸性が高い機種ばかりになってしまう可能性は否めない。その結果、新規ユーザーが入りにくくなる状況になるのは心配です」
ラッキートリガー3.0プラスで、獲得出玉の少ない“チャージ”がなくなることも、見方を変えればデメリットになりかねない。
「チャージについては『せっかく当たったのに出玉があまり獲得できない』ということで、あまり歓迎しないユーザーが多いのも事実です。しかしながら、チャージで300個くらいの出玉を得ることで、通常時の現金使用が抑えられていたという側面もあります。
もちろんチャージの出玉の分をRUSHに回せるというのはメリットではありますが、通常時とRUSH中とのメリハリが強くなりすぎて、気軽に遊びにくくなりそうな印象も拭い去れない。釘調整が渋くてあまりヘソに入賞しない台(大当たり抽選を受ける頻度が低い台)で遊技した場合、現金使用がどんどんかさんでいってしまう可能性もある。やはりユーザーへの負担が増えることが心配です」(藤井氏、以下同)