一方、フルポジション戦略のデメリットは私の投資手法と比較して「陥落売り」のリスクが格段に高いことです。
投資を始めて19年目まではずっとプラスだったのに、20年目の暴落で耐えきれずに狼狽売り。「今までのプラスはほとんど吐き出し、生涯成績がマイナスにまで落ち込んでしまった」などということは普通にあることです。
大切なのは途中経過で勝っていることではなく、最後に勝つことです。胆力も腕もないのにレバレッジをかけ続ける投資手法をとるというのは、死に場所を探しているようなもの。いつ退場するかだけの問題のようにも見えます。私にはその胆力も腕もないから「どう転んでも勝つ投資」を目指しているというわけです。
「暴落時に買い向かう」、「小型割安株を買う」、「増配期待銘柄を買う」これらは全て期待値1以上です。
この期待値1以上をコツコツ、コツコツ積み重ねるのです。何年も何十年も。「勝つべくして勝つ投資」とはこういうことを言うのです。
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※ヘム・著『「増配」株投資 年1,075万円もらう資産3.7億円の投資家が教える!』を元に一部抜粋して再構成。なおトランプ関税に振り回される今の株式市場でヘム氏が注目する具体的な個別銘柄については、関連記事の最新インタビュー『《億り人が選ぶトランプ関税の影響を受けにくい5銘柄》資産4億円超のヘムさんが厳選した東証スタンダード上場のお宝株、内需で稼ぐ小型割安株を狙い撃ち!』にて、紹介している。
【PROFILE】
ヘム/京都大学卒業後、総合商社に入社。社会人1年目より投資を始め投資歴は27年になる。30歳で脱サラをして起業。現在も2社を経営する投資家兼会社経営者。392銘柄保有中、投資時価4.1億円(2025年3月31日時点)。個別銘柄分析&ポートフォリオ構成銘柄&成績をXで公開したところ、アカウント開設後、1年半でフォロワーが3万人突破。データを重視した投資手法で、その再現性の高さから、投資初心者から玄人まで幅広い支持を得ている。最新刊は『「増配」株投資 年1,075万円もらう資産3.7億円の投資家が教える!』(KADOKAWA)。