増税マフィアの中核(政界再編相関図の一部。全体図は本文内【政界再編相関図】へのリンクをクリック)
自民党では参院議員の約70人が消費減税に賛成し、執行部に提言。衆院でも総裁選で石破首相と争った高市早苗・前経済安保相が「すぐに減税」を主張しているのに対し、森山裕・幹事長や前財務相の鈴木俊一・総務会長ら執行部側は「減税すべきじゃない」と強硬に反対している。青年局の若手議員も「将来世代の負担に直結する。慎重に議論すべき」と石破首相に申し入れるなど、党内に大きな亀裂が入った。肝心の石破首相は板挟みで思考停止状態だ。
連立を組む公明党も参院選公約の重点政策に「厳しい生活の負担を直接軽減する『減税』を実現する」と盛り込んだ。
最大野党の立憲民主党はにわかに方向転換した。増税・財政再建派として減税に慎重だった野田佳彦・代表が「食料品の消費税率ゼロ」を掲げるグループと「消費税率5%」を唱えるグループに突き上げられ、「原則1年間の食料品税率ゼロ」を参院選公約に盛り込むと発表した。
野党では“元祖・減税論者”の玉木雄一郎・国民民主党代表が「消費税率5%」を提唱し、日本維新の会は「2年間食料品の消費税ゼロ」、れいわ新選組、共産党、日本保守党、参政党など政治思想が対極にあっても異口同音に「消費減税」を掲げている。
選挙前に各党が競い合って国民受けの良い公約を掲げるのは政治の常だ。選挙が終われば「公約は守らなくてもいい」と頬被りされ、有権者は失望させられてきた。
しかし、今の政治状況はそれを許さない。
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※週刊ポスト2025年5月23日号