暴落時のパニック売りはNG
先行きの見えない時代に投資で儲けるにはどういった視点を持てばいいのか──。重要なのは、株価が暴落した時に慌てて売りに走らないことだと清原氏は説明する。
「株式投資で一番やってはいけないことは下がった時に売ること。損切りは最も愚かな行為です。カニが好きな人が5000円でカニをたくさん買って冷凍保存していたとしましょうか。ある時、そのカニが2500円になったとして『俺は損をした!』と言って投げ売りしますか? 『安くなったから少し余分に買っとこうか』くらいの感覚でいいのです。暴落時にパニックになって売ってしまったら、投資はその時点で失敗です」
保有する株が下がった時の選択肢は「もっと買う」か「放置する」の二択だと清原氏。
「私は時価総額が500億円未満の割安小型株投資を勧めていますが、相場の上げ下げでその会社の価値は変わりません。価値が2000円の株を1000円で買ったとしましょう。株価が暴落して500円になっても恐るるに足らず。儲かるチャンスが増えたと思っていればいいのです」
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【プロフィール】
清原達郎(きよはら・たつろう)/1981年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業。同年、野村證券に入社、海外投資顧問室に配属。スタンフォード大学で経営学修士号(MBA)取得後、1986年に野村證券NY支店に配属。1991年、ゴールドマン・サックス証券東京支店に転職。その後モルガン・スタンレー証券、スパークス投資顧問を経て、1998年、タワー投資顧問で基幹ファンド「タワーK1ファンド」をローンチ。2005年に発表された最後の高額納税者名簿(長者番付)で全国トップに躍り出る。2023年、「タワーK1ファンド」の運用を終了し、退社。はじめての著書『わが投資術 市場は誰に微笑むか』(講談社)が話題に。
※週刊ポスト2025年5月23日号