Prime Video広告フリーの登録方法(公式ホームページより)
アマプラは「無料配送のためのもの」と割り切る人、退会も検討する人
では、アマプラで広告を見なくても済むように追加料金を払うかというと、そういう人ばかりでもないようだ。というのも、今や複数の動画配信サービスに入会している人も珍しくない時代。アマプラ、ネトフリ、U-NEXTなど合計5つのサービス会員だという30代女性・Aさんは、「映画はアマプラ以外で見ることにする」と話す。
「追加課金はしませんね。可能な限りネトフリで見るようになりました。アマプラの役目は無料配送だけだと割り切ります。私はアマプラの会員料金は年払いをしていて5900円。月額に換算したら492円です。ネトフリが広告付きで890円、広告なしならさらに700円かかる月額1590円だということを考えると、激安ではあるんですよね。とりあえず、アマプラはもはや動画配信サービスだと思わないようにする。オリジナルコンテンツは広告つきだと割り切って見ることにします」
また、Aさん同様に複数サービスに加入している人のなかには、「通販」までアマプラ以外にすることを検討する人も。
「映画の間に広告が挟まるのは、テレビで映画を見るのと変わらないと思えばいいのでしょうけど、話の途中での広告はやっぱり萎える。正直、ネトフリの広告はそこまで気にならないけど、アマプラの広告の入り方はエグいというか……。立て続けに入ったり、クライマックスのようなところで入ったりすることもある。これまでアマプラは無料配送が魅力だと思っていたけど、よく考えればヨドバシや楽天の無料配送を上手に使えばいい。映画やアニメはほかの配信で見ることにして、退会も考えています」(20代男性)
ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、「元々ネットのサービスは無料、あるいは格安のものが多かったことが仇になっている」と指摘する。
「サービス運営側が、いわば先行投資として顧客の囲い込みに勤しんでいたわけですが、無料や低価格に一旦慣れてしまうと、さらに課金することへの抵抗感が生まれてしまう。さらには最初から広告付きプランだと納得していれば別ですが、途中から同じ会費で広告を見せられるようになると、文句を言いたくなってしまうものです。ただし、さまざまなネットサービスの立場になってみると、継続的な運営を考えた時、有料化や高額化の波は避けられないでしょう。今無料で楽しめているものも、いつ有料になってもおかしくないと思います」(中川氏)
さて、アマプラ会員は離脱組が多いのか、課金組が多いのか――。少なくともアマプラに競合他社の広告が入っていることを考えると、動画配信サービスがユーザーの奪い合いとなっているのは事実のようだ。