検証:積立頻度でリターンは変わるのか?
検証条件は以下のとおりです。
対象は、楽天オルカンこと「楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド」。期間は、2020年1月から2024年末までの5年間。毎月1万円を積み立てる前提で、積立頻度を「毎月1回」「毎週(月曜)」「毎日(営業日)」の3パターンに分けて比較しました。
その結果、最終的な資産評価額は次のような傾向になりました。
【結果】毎月1日だけ買った場合よりも、毎週に分散した方が平均取得単価が下がり、毎日積立ではさらにブレ幅を吸収して効率が良くなった。
「毎月」「毎週」「毎日」の積立の比較(2020年1月から2024年末までの5年間。毎月1万円を積み立てた場合)
これは相場環境にもよりますが、たとえば、毎月1日だけの積立では、たまたま月初が高値だった場合、その月は高値掴みになります(逆にたまたま月初が安値だった場合、安く仕込めることになります)。これが繰り返されると、良くも悪くも、せっかくのドルコスト平均法の効果が薄れてしまうのです。
一方、毎週や毎日で積立を行えば、価格の上下を自然と吸収していきます。特に突発的な暴落があって、すぐに価格が戻ったときなどは、平均取得単価を下げることができます。なにより、短期的な価格変動に一喜一憂することもなくなります。
積立頻度によるコスト負担の差は実質的に無視できる
とはいえ、「積立頻度を上げると手数料がかさむのでは?」と不安になる方もいるかもしれません。実際、月に1回の注文と毎月20回近く買い付けるのとでは、コスト面に差があるように感じますよね。
こちらも調べてみたところ、楽天証券やSBI証券、マネックス証券など大手ネット証券では、投資信託の購入時手数料は基本的に無料(ノーロード)です。どれだけ細かく買っても、1回ごとの取引に追加手数料はかかりません。
さらに、オルカンのような低コストファンドでは、保有中にかかる信託報酬も年率0.056%程度と極めて低いため、積立頻度によるコスト負担の差は実質的に無視できます。つまり、毎日積立しても、毎月積立と比べてコストで不利になることはほぼないのです。