今週のドル円はどう動く?
投資情報会社・フィスコが5月26日~5月30日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は弱含みか。米国の財政と景気の悪化が引き続き懸念され、リスク回避的なドル売り・円買いが再び強まる可能性がある。米有力格付け会社ムーディーズ・レーティングスは5月16日に米国債の信用格付けを引き下げたことを受けてドルの信認低下が嫌気され、ドル売りが再開。米トランプ政権による大型減税法案の議会通過で米国債売りが再び強まる可能性もあり、長期金利の動向を見極めるムードが広がりやすい。金利高が消費を圧迫するとの見方から、目先の経済指標が市場予想を下回った場合、ドル売りを強める材料となろう。
他方、5月21日に行われた日米財務相会談では両国の閣僚が「為替について議論しなかった」としている。ただ、米国は台湾や韓国との貿易交渉でドル高・通貨安是正を協議したとみられ、日本も例外ではなく、市場参加者はいずれ円安是正に向かう可能性があると受け止めているようだ。ドル・円の上値は次第に重くなっており、新たなドル買い材料が提供されない場合、心理的な節目である140円近辺が意識されやすい。
【日・5月東京都区部消費者物価指数(CPI)】(5月30日発表予定)
5月30日発表の5月東京都区部CPIは現時点で前年比+3.5%と、4月実績の+3.4%を上回る見通し。想定通りなら、日本銀行による追加利上げ観測が再浮上し、円買い材料になりやすい。
【米・4月コアPCE価格指数】(5月30日発表予定)
5月30日発表の米4月コアPCE価格指数は現時点で前年比+2.50%の見通し。インフレ圧力低下ならスタグフレーション懸念のドル売りは一服しそうだ。