替え玉を想起させる投稿も。「日本のTOEICで900点以上・実際の学生を使います・良質なサービスをご提供」
取材であると伝えるとアカウントをブロック
その後も質問を続けようとしたところ、業者からは「何のために情報を集めているのか?」と怪しまれ、通話を切られる。その後、こちら側のアカウントはブロックされてしまった。この直後、業者が宣伝に使用していたSNSからは、TOEICの点数保証に関する投稿は全て削除されており、業者側の警戒心が高まっていることが想像できる。
数日後、別のアカウントから業者にメッセージを送り通話での質問を申し込んだところ、警戒しているのか業者からはチャットでの応答のみの受付に変更されていた。
そこで取材であることを伝えた上で、「逮捕された京大留学生への報酬」「逮捕された京大留学生以外にも替え玉を行なう人員はいるのか」「違法性の認識はあるのか」について質問を送った。だが、返信はなく、こちら側のアカウントもブロックされてしまった。
この業者が王容疑者を本当に“雇用”していたかの詳細は不明だが、SNS上にはこうした宣伝文句は今も多数掲載されており、今後もこうした試験でのカンニングビジネスを継続していく意志を感じさせる。逮捕者が出たことで、これから当局や試験運営側の監視体制が強化されていくことが予想されるが、それでも止める気配を見せないカンニング業者。今後、どうなっていくか注視したい。
【プロフィール】
廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)/1986年生まれ、東京都出身。フリーライター。明治大学を卒業後、中国の重慶大学に留学。メディア論を学び2012年帰国。フリーランスとして週刊誌やウェブメディアで中国の社会問題や在日中国人の実態などについて情報を発信している。