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投資

「親子上場解消」に伴うTOBに投資妙味「2019年以降に18銘柄で儲けを出した」億り人・なのなの氏の投資実例と銘柄選びのポイント 一方で「ディスカウントTOB」には要注意

親子上場解消で実施されるTOBには投資チャンスも

 親子上場解消には、親会社が子会社の株を買い付けて完全子会社化したり、逆に株を他社へ売却したりする手法がある。その際、TOBが実施されるのが一般的だが、そこに大きな儲けのチャンスがあるのだ。

「TOBでは対象企業(子会社)の株主に対し、買い手が市場価格より高い『プレミアム』をつけて買い取るケースが多い。TOBを受けそうな銘柄を先回りして仕込めれば、市場価格と買い付け価格の差額で大きな利益を得られるのです」(羽根氏)

 割安な「高配当株」をメインに資産1億9000万円超を築いた兼業投資家・なのなの氏が語る。

「たとえば2023年度の『プレミアム』は平均39%くらい、簡単に言えば1000円の株を1400円で買い取ってもらえるようなもの。ただ、子会社の株価が割高だと、市場価格より低い“ディスカウントTOB”になる場合もあって、損するリスクは存在するので注意が必要です」

 なのなの氏は「2019年以降に18銘柄のTOBで儲けを出した」という。

「直近では、トランプ関税ショックで市場全体が暴落した4月7日に三菱食品株を4500円で買ったところ、5月8日に発表された買い付け価格は6340円。わずか1か月で株価が1.4倍になりました。

 また、2022年12月に伊藤忠商事系の携帯販売代理店が親子上場解消に伴いTOBされました。類似事例として三井物産系の携帯販売代理店・ティーガイア株を保有していたところ、株価は2倍ほどになりました」

 ただし、親子上場解消に伴うTOBに期待する投資は「狙ってもなかなか取れるものではない」とも指摘する。

「私の基本的な投資スタイルである『高配当』で『割安』な銘柄に、プラスアルファとして『TOBも狙える』という条件を重ねて選ぶようにしています。TOBが実現しなくても高配当が見込めるし、高配当を続けられる会社は収益基盤や財務が安定しているから、そのままでも上値を期待できます。TOBが実現すればさらに大きな株価上昇が期待できるので、どちらに転んでも損をしない。安定しつつ楽しみも持てる投資法と言えるでしょう」(なのなの氏)

次のページ:TOB件数は2019年から右肩上がりが続く

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