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河合雅司「人口減少ニッポンの活路」
石破政権「地方創生2.0」の課題

東京都が人口減少に転じるのは時間の問題…それでも「東京一極集中」が続いている本当の理由

東京から地方への人の流れを太くするというが…(写真は、地方創生に関する視察で訪れた群馬県でパンを食べる石破茂首相/時事通信フォト)

東京から地方への人の流れを太くするというが…(写真は、地方創生に関する視察で訪れた群馬県でパンを食べる石破茂首相/時事通信フォト)

「東京一極集中」を是正せよ──。従来の地方創生の議論では、最優先で取り組むべき課題として俎上に載せられてきたのが、東京一極集中の問題だった。しかし、内閣官房の有識者会議「新しい地方経済・生活環境創生会議」の委員も務めた人口減少対策総合研究所理事長の河合雅司氏によれば、東京圏の人口を各地に分散させることでは根本的な解決にはならないという。

 人口減少ニッポンが行き着く衝撃的な未来と、そこへの現実的な対策を提示した著書『縮んで勝つ』も話題の河合氏が、掛け声倒れに終わった「地方創生2.0」の舞台裏と真に取り組むべき具体策を提案する【全3回の第2回。第1回から読む

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 政府が「地方創生2.0」の柱とした関係人口などの増加策は、短期的な政策に過ぎない。私が「こうした分散政策は長続きせず、問題の根本部分を解決することにはつながらない」と断じるのは、日本の人口減少が凄まじい勢いで進んでしまうペースとなってきたからだ。

 厚生労働省が公表した人口動態統計月報年計(概数)によれば2024年の日本人の出生数は初めて70万人を下回り、68万6061人となった。だが、注目すべきは前年比増減率が5.7%減となったことだ。5%台のマイナスは3年連続であり、このペースで減り続けたならば、2040年の年間出生数は30万人を下回る。

「70万人割れ」した日本人出生数の推移

「70万人割れ」した日本人出生数の推移

 しかも死亡数のペースも速まっている。160万5298人となったのだが、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の中位推計で同水準となるのは2032年(160万6000人)のはずだった。

「出生数の減少」と「死亡数の増加」という人口を減らす2つの要因がいずれも政府の想定以上に悪化しているということであり、日本社会は今後急速に縮小していく。

 総務省の人口推計によれば、日本人人口は2024年10月1日現在、1億2029万6000人だ。出生数と死亡数の現状の推移を基に機械的に計算すれば、2070年までに日本人人口は半減する。外国人の受け入れを拡大しても、緩和することが難しいペースだ。

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