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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】キャリアリンク Research Memo(1):成長投資を優先し2026年3月期から3年間は堅実な収益拡大を目指す

*11:01JST キャリアリンク Research Memo(1):成長投資を優先し2026年3月期から3年間は堅実な収益拡大を目指す
■要約

キャリアリンク<6070>グループは、BPO(Business Process Outsourcing)関連を中心とした事務系人材サービス事業を主軸とする総合人材サービス会社である。大量動員・早期立ち上げが必要とされるプロジェクトの運用ノウハウに強みを持ち、地方自治体向けや大手BPO事業者経由の案件を数多く手掛けている。

1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比7.7%減の40,397百万円、営業利益で同17.9%減の2,693百万円と2期連続の減収減益となった。事務系人材サービス事業において地方自治体のマイナンバー交付施策案件や大型福利厚生案件の業務終了や縮小、並びに想定していた利益の確保が困難と判断した案件について応札を見送った影響で、自治体向けBPO関連売上高が同19.1%減の12,726百万円と落ち込んだことが主因だ。製造系人材サービス事業も食品加工業界向けの拡大により売上高は同10.5%増の7,531百万円と好調に推移したが、業容拡大に向けた人材投資を実施したため利益は横ばい水準に留まった。

2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.3%増の42,545百万円、営業利益で同0.5%増の2,706百万円と増収増益に転じる見通しだ。マイナンバー関連業務や臨時給付金業務が下げ止まるほか、取引自治体数や長期継続取引案件が増加すること、また官公庁向け派遣案件の受注も順調に推移していることから、売上計画の達成確度は高いと弊社では見ている。利益面では、新規事業の開発投資や、生産性並びに競争力向上のためのIT投資、専門人材を招聘するための費用等を見込んでいることから、小幅な増益計画となっている。ここ数年間は売上を確保することにリソースを集中したため、成長投資が先送りされてきた。このため、2026年3月期以降は株主還元を維持できる利益水準を確保しつつ、積極的に投資を行い事業基盤の強化に取り組む方針だ。

3. 中期経営計画
同社は、2028年3月期までの中期経営計画を発表した。中長期でのさらなる業容拡大に向けた積極的な投資を行う方針で、年平均成長率は売上高で5.2%、営業利益で4.0%と堅実な成長を見込んでいる。事務系人材サービス事業のうち、地方自治体向けは業務領域の拡大と長期継続案件の受注獲得を推進し、民間企業向けでは新規事業開発や業務領域の拡大等に取り組みながら着実な成長を目指す。製造系人材サービス事業では、強みとする外国人スタッフを活用した派遣サービスに注力し、既存顧客内での取引拡大や新規顧客の開拓を進めながら、年率6.1%の売上成長を目指す。

4. 株主還元策
配当政策として、内部留保の確保と経営成績などを総合的に判断し、適正で安定した配当を継続することを基本方針としている。同方針に基づき、2025年3月期の1株当たり配当金は前期と同額の120.0円(配当性向77.9%)を実施した。2026年3月期以降の3年間もベースラインの利益を確保する見込みであることから、120.0円を維持する予定だ。また、株主優待制度を導入しており、毎年9月末に株主に対し保有株式数や継続保有年数に応じてQUOカードを贈呈している。100株保有株主の総合利回りは約6%となる(6月5日の終値2,100円で算出)。

■Key Points
・2026年3月期は成長投資を最優先に取り組みながら、3期ぶりの増収増益を見込む
・2028年3月期まではオーガニックな積み上げを前提に年率5.2%の売上成長を目指す
・2028年3月期までは1株当たり120.0円配当を継続する方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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