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ビジネス

国民民主・玉木雄一郎代表×楽天・三木谷浩史社長が「働き方改革」で激論 三木谷氏「『働き方改革』は撤回して『働きがい改革』を」、玉木氏「税制が労働投入を妨げている」

本当の地方自治を実現するにはどうすべきか

──そのあたりは玉木さん、国民民主の支持母体でもある連合を説得できますか。

玉木:それはさっき申し上げたように働きやすさと働きがいの二軸が必要で、私や三木谷さん世代の価値観を押し付けていると、やっぱり人が来なくなる。

三木谷:いや、バンバン来ますよ。みんな、もっと働かせろと言ってます。

玉木:本人同意があるということ、一定の職種でそういったことを認めていくことが大事なんじゃないか。外国人についていうと、三木谷さんと私の考えはあまり違っていないように思います。やはり誰をどのように入れるか、ということであって、高度人材は徹底的に日本に集めたほうがいい。

三木谷:いや、税金が高すぎるから入ってこない。

玉木:特区的なところ、グローバルキャンパスみたいなところで受け入れる場合は、一定の税の恩恵があるようにするのも一案です。

 正直に言うと今の日本は事実上、移民を認めています。安倍(晋三)さんの時も菅(義偉)さんの時もこれを「移民じゃない」と言って、外国人受け入れ行政を全部、自治体に丸投げしてきた。本当に移民を受け入れるなら、共生政策が地方自治体任せの今の体制を抜本的に変えて国が予算も人もちゃんとつけて体制を整えないとかえって混乱が増える。

三木谷:たしかに玉木さんが言うような問題はあると思いますが、そこは中央集権型でやったほうがいいのか、それとも地方自治を促進したほうがいいのか。やはり中央集権国家というのは規制強化型だと思います。それを地域ごとに自由化する。

 今の日本の地方自治は金太郎飴で、地方交付税交付金によってお金は総務省が配分を決めることになっている。ふるさと納税でポイントの活用を禁じようとしているのも、潰したいわけですよ。自分たちが配っていたのに、ふるさと納税は地方の努力によってお金が動くから許せない。

 やっぱり道州制がいいのではないか。僕は今みたいな県をやめて、藩に戻したほうがいいと思う。

玉木:“廃県置藩”ですね。地方自治については、デジタル市民権みたいな話も考えられます。災害が起きた時も、ここが被害を受けたら、こっちが絶対助けにくる、みたいな。

三木谷:日本の場合、地方税とか名ばかりなんですよ。みんな一緒だもん。一緒にしとかないと総務省として都合が悪いから。本当の地方自治をやるなら、お金のマネジメントを地方行政府に渡すべきです。消費税も、アメリカみたいに地方ベースにしたほうがいいと思う。そうすると島根県が「ウチはゼロだ」と言えば人が集まりますよ。

【プロフィール】
玉木雄一郎(たまき・ゆういちろう)/1969年、香川県出身。1993年に東大卒業後、大蔵省(現・財務省)入省。2005年、財務省を退官し衆院選に出馬するも落選。2009年衆院選で初当選。希望の党代表を経て2018年に国民民主党代表となり、2020年の新・国民民主党設立以降も代表を務める。

三木谷浩史(みきたに・ひろし)/1965年、兵庫県出身。1988年に一橋大卒業後、日本興業銀行(現・みずほ銀行)に入行。退職後、1997年にエム・ディー・エム(現・楽天グループ)を設立し、楽天市場を開設。現在はEコマースと金融を柱に、通信や医療など幅広く事業を展開している。

大西康之(おおにし・やすゆき)/1965年生まれ、愛知県出身。ジャーナリスト。1988年早大法卒、日本経済新聞社入社。日経新聞編集委員などを経て2016年に独立。著書に『起業の天才! 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』(東洋経済新報社)、『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』(小学館)など。

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 マネーポストWEBでは、今回の対談の完全版記事『【1万字超ロング対談】国民民主・玉木雄一郎代表×楽天グループ・三木谷浩史会長が激論「既得権の“壁”を壊せ」』を公開している。そこでは、コメ高騰、減税、働き方改革への両者の見解と支持率が急落している国民民主党の玉木氏に対して三木谷氏が求めた“注文”などについて詳しく紹介している。

※週刊ポスト2025年7月11日号

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