すかいらーくグループに導入されている猫型配膳ロボット「ベラボット(BellaBot)」(写真・時事通信フォト)
ホテルや外食産業などでの人材不足が深刻だ。飲食店を中心に人手不足に対処すべく、省人化で生産性向上に貢献する企業も増えている。今回は、省人化事業で好決算を出している企業をピックアップし、個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が解説する。
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ホテル・レストラン・居酒屋・小売店などの人材不足は深刻化している。厚生労働省「一般職業紹介状況」によれば、2025年4月時点の全国平均の有効求人倍率が1.26倍であるに対し、特に飲食業界に関係する飲食物調理従事者では2.47倍、接客・給仕職業従事者では2.68倍に達しており、全産業平均を大きく上回る水準だ。また、帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2025年4月)」によると、飲食店における非正社員の人手不足割合は65.3%、旅館・ホテルでも51.8%に達しており、業種別で最も深刻な水準となっている。
そのうえ、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査の概況)」によると、宿泊業・飲食サービス業の平均月額給与は26万9500円で、全産業平均の33万400円と比べて大きく差があり、また、産業別に見ても「宿泊業,飲食 サービス業」は16分類中最も低賃金という状況だ。
一方で昨今ではインバウンド効果による来客数増加で大きく業績を改善する企業も出てきている。
今後、外食産業を筆頭にさらなる省人化による生産性向上が図られるだろう。今回は、なじみが出てきている省人化プロダクトにスポットを当て、その関連事業に取り組み、今後の成長期待が高まっている企業をピックアップしてみよう。