*07:43JST NYの視点:米6月雇用統計:先行指標は労働市場の減速の兆候示す、ネガティブサプライズは7月利下げも選択肢に
米労働省が発表する6月雇用統計では労働市場の減速を示す新たな証拠となるかどうかに注目が集まる。市場エコノミスト予想では、非農業部門雇用者数が+11万人と、5月+13.9万人から2カ月連続で伸び鈍化し2月来の低水準が予想されている。失業率も予想4.3%と、5月4.2%から21年10月来の高水準へ上昇が予想されている。平均時給は前月比+0.3%、前年比+3.8%と、それぞれ5月+0.5%、+3.9%から鈍化予想。労働市場の減速の新たな証拠となると、7月の利下げも選択肢となる。
雇用統計の先行指標も労働市場のさらなる減速を示唆。先行指標のひとつ民間雇用者数を示す6月ADP雇用統計は前月比-3.3万人となった。5月+3.7万人から伸び拡大予想に反し、23年3月以降ほぼ2年ぶりの減少となった。
コンファレンスボードが発表した米6月消費者信頼感指数の中で、雇用が「十分」との回答は29.2%まで低下し、過去4年間で最低となった。雇用が「十分」29.2と、「困難」18.1の差は11.1と、前月の12.7からさらに縮小し、消費者の労働市場への自信が一段と後退した証拠となった。6か月連続での縮小。
遅刻指標の雇用統計に比べて最新の労働市場の状況をより正確にあらわすと注目される新規失業保険も増加傾向にある。米失業保険継続受給者数(6/14)は197.4万件と、2021年11月以来の高水準に達した。企業はマクロ経済をめぐる不透明感に従業員解雇に慎重になっているが同時に、失業者が新たな職を見つけるまで、より長期の時間が要することが明かになった。
全米の製造業活動をあらわすISM製造業の6月分の雇用項目は45と、5月46.8から低下し、5カ月連続で活動の拡大と縮小の境目である50を割り込んだ。
■6月雇用先行指標
●ADP雇用統計:-3.3万人(予想:+9.8万人、5月:+3.7万人)
●ISM製造業:雇用45(5月46.8)
●コンファレンスボード消費者信頼感指数
雇用
十分:29.2(31.1)
不十分:52.7(50.5)
困難:18.1(18.4)
6か月先
増加:15.4(18.6)
減少:25.9(26.2)
不変:58.7(55.2)
所得:16.3(18.4)
増加減少:12.4(13.5)
不変:71.3(68.1)
■市場予想
・米・非農業部門雇用者数:予想:+11万人、5月:+13.9万人)
・米・失業率:予想4.3%、5月:4.2%
・米・平均時給:前月比+0.3%、前年比+3.8%、5月:+0.5%、+3.9%)
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