「なんとなく株価が安い、配当や優待がいい」といった理由だけで買わない
がんが見つかった後、たーちゃん氏はこの投資手法をより大胆に実践し、大成功を収めた。
それが造船準大手の名村造船所だ。大手も含め造船不況に見舞われ、名村造船所も2017年から6年連続赤字に。株価は2013年の1500円台が2020年には150円割れとなるなど10分の1まで下落した。
2022年にがんの告知を受けたたーちゃん氏は、当時10億円を超えていた元手の多くを同社株につぎ込み、「想像以上の高騰」で資金が膨らんだ。それをさらに韓国の造船最大手・HD韓国造船海洋に集中投資して50億円以上の膨大な資産を築いたのだ。取材時には「本を書いていた時からさらに増えて今は80億円に。いずれ100億円は超えると思う」と笑った。
成功の秘訣は、「根拠ある自信」に基づく「ストーリー」にあると説く。
「伝説のファンドマネージャーと呼ばれるピーター・リンチ氏が『90秒で説明できない会社には手を出すな』と言ったように、今後の成長を簡単に説明できるストーリーのない会社に投資してはダメ。なんとなく株価が安いとか、配当や優待がいいといった理由だけでは買ってはいけない」
最後に、働きながら資産を増やせるメリットについて、アドバイスする。
「毎月給料が入ってくる安心感は、サラリーマンならではの強み。翌月の給料がアテにできるから、手取り40万円なら10万円を先に投資に回す“4分の1天引き法”をして残りで生活する習慣にするのが一番大事です」
余命宣告を受けてもなお「資産はいずれ100億円を超える」という氏の言葉は重い。
資産を80億円にまで増やした、たーちゃん氏の投資人生はどのようなものだったのか。関連記事《【シクリカルバリュー投資向きの有望5銘柄を公開】がんステージ4の億り人・たーちゃん氏、余命宣告後の集中投資で資産80億円突破 成功の秘訣は各銘柄にある“ストーリー”》では、たーちゃん氏がいま注目する大幅上昇期待銘柄と合わせて紹介している。
※週刊ポスト2025年7月18・25日号