米国高配当株の銘柄選択の7つのルール
米国の優良企業のなかでも、私は配当金を多く出す企業(高配当株)、配当金を増やし続けている企業(増配株)が好みです。今回は高配当株を選ぶ際に私が守っている7つのルールをお伝えします。
(1)配当の分析
・配当利回りの確認……高いほうがよいですが、7%以上など高すぎるのは注意する。
・配当性向の確認……純利益のうち配当金にどれだけ充てているかをチェックしましょう。30~50%が目安です。
・減配履歴の有無……頻繁に減配する企業は避けたい。できれば連続増配の企業が望ましいです。
(2)業界として成長している
企業だけでなく、その企業の業界が成長していることが基本中の基本です。業界全体で伸びる需要に対し、企業が供給を増やすので売上高が上がり、利益が増えるのです。配当金は利益から出されますから、業界全体が成長しているかを見極めましょう。
(3)市場シェアが1位か2位である
シェアが1位ないし2位の企業を選びましょう。上位企業は価格決定権を持つ可能性が強く、儲ける力がある可能性が高いからです。3位以下であっても、ニッチな分野で稼ぐ力が強い企業なら狙ってもいいでしょう。シェアがつかめない場合には、時価総額を判断材料にしてもいいと思います。業界大手を選ぶのが投資の基本です。
(4)他社に真似されないビジネスを展開
投資先として、他社が容易に参入できないビジネスが理想です。真似されやすいビジネスは価格競争が起こりやすく、利益が出にくい傾向があります。利益が出ないと株価は上昇せず、配当金も出せません。
(5)売上高が伸びている
儲けの源泉は売上高にあります。よって、売上高が伸びていることが大切です。株価は長期では企業価値で決まります。どれだけ儲けているか、儲けが伸びているかということです。
(6) 本業での利益を示す「営業利益」が伸びている
利益にはさまざまな種類がありますが、本業での利益を示す「営業利益」を私は重要視しています。営業利益が伸びている企業を選びましょう。営業利益率が、(業種によりますが)20%あれば、おおむね優良企業と言えるでしょう。
(7)EPS(1株当たり利益)が成長している
1株当たり利益も大切なチェックポイントです。一般的に、株価は長期では1株当たり利益に連動すると言われているからです。これが伸びている企業は株価も伸びていく可能性が高い。1株当たり利益が不安定な企業は避けましょう。まして、たびたび赤字になる企業への投資は見送ったほうがいいです。
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【プロフィール】
桶井道(おけい・どん)/個人投資家(投資歴26年)・物書き。1973年生まれ。世界中の優良株・ETF等を100銘柄以上保有し、高配当株および増配株を買ったら放置する「ぐうたら投資」を極めてから資産成長を加速させる。2020年に資産1億円とともに退職して自由となり、2024年にはピークで資産1.9億円に到達。著書に『普通の人のための投資 いちばん手軽で怖くない「ゆとり投資」入門』(東洋経済新報社)、『時をかける貯金ゼロおじさん 35年前に戻った僕が投資でゆっくり「億り人」になる話』(KADOKAWA)など6冊。
おけいどん氏の新刊『時をかける貯金ゼロおじさん 35年前に戻った僕が投資でゆっくり「億り人」になる話』は、「投資×自己啓発×タイムリープ小説」で、巻末で優良41銘柄を分析して紹介。「小説だから楽しみながら読み進めていくうちに自然と投資モチベーションが上がり、この1冊で投資の本質も理解できるでしょう。巻末で具体的な銘柄も解説しています」(おけいどん氏)