億り人・おけいどん氏は投資する米国株をどう選んでいるのか
トランプ相互関税政策の影響で世界経済の動揺が続くが、米国株市場は2025年7月に入ってからもS&P500種株価指数とナスダック総合株価指数が過去最高値を連日更新するなど強気相場となっている。
新刊『時をかける貯金ゼロおじさん 35年前に戻った僕が投資でゆっくり「億り人」になる話』(KADOKAWA)が話題の“億り人”投資家・おけいどん(桶井道)氏は、「米国株の強さを投資家なら絶対に知っておくべき投資の基礎」と考える。日米など世界の優良株に長期投資し、資産1.8億円を築いたおけいどん氏が米国株の銘柄選びのルールを解説する(同書より一部抜粋し、本稿のために加筆のうえ再構成)。
米国成長株の銘柄選択の7つのルール
個別株に投資するには、銘柄分析が必要です。どのあたりに注目すれば良いのか、今回は米国の成長株を選ぶ際の7つのルールを解説します。
(1)業界として成長している
その企業が事業を行う業界が成長していることが基本中の基本です。伸びる需要に対して、企業が供給を増やすから売上高が上がり、利益が増えます。そして、株価が上がるのです。
(2)市場シェアが1位か2位である
業界大手を選ぶのが投資の基本です。シェアが1位ないし2位の企業を選びましょう。上位企業は価格決定権を持つ可能性が強く、儲ける力がある可能性が高いからです。3位以下であっても、ニッチに稼ぐ力が強い企業なら投資してもいいでしょう。シェアがつかめない場合には、時価総額を判断材料にしてもいいと思います。
(3)他社に真似されないビジネスをしている
真似されやすいビジネスは、価格競争が起こりやすく、利益が出にくいです。利益が出ないと株価は上昇しません。投資先として、他社が容易に参入できないビジネスが理想です。
(4)売上高が伸びている
株価は長期では企業価値で決まります。どれだけ儲けているか、儲けが伸びているかということです。儲けの源泉は売上高にあります。よって、売上高が伸びていることが大切です。売上高の伸び率にも注目しましょう。
(5)本業でしっかり利益を出していて、利益成長している(営業利益で見る)
営業利益が伸びている企業を選びましょう。利益にはいろいろな種類がありますが、本業での利益を示す「営業利益」を私は重要視しています。営業利益率が、(業種によりますが)20%あれば、おおむね優良企業と言えるでしょう。営業利益の伸び率にも注目しましょう。
(6)EPS(1株当たり利益)が成長している
1株当たり利益も大切です。一般的に、株価は長期では1株当たり利益に連動すると言われているからです。これが伸びている企業は、株価も伸びていく可能性が高いです。1株当たり利益が不安定な企業は避けましょう。まして、たびたび赤字になる企業への投資は見送ったほうがいいです。
(7)自社株買いの確認
自社株買いとは企業が自社の株を買うことを意味します。自社株買いによって、市場に流通する株式数が減るので、1株当たりの価値が上がり、株価も上がります。また、株式を発行している企業自身が買うくらい、株価は安いというアナウンスにもなり、株価上昇のきっかけになります。
個別株投資は、基本を押さえたうえで、自分なりの銘柄分析法やマイルールを確立することが大切ですので、しっかりと「軸」を定めてください。