先週の日経平均は週間で241.20円安
投資情報会社・フィスコが、株式市場の7月7日~7月11日の動きを振り返りつつ、7月14日~7月18日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で241.20円安(-0.61%)の39569.68円で取引を終了。週間高値と安値の値幅は473円にとどまり、少なくても2024年以降では最小。非常に小幅なもみ合いレンジに終始する状況となった。40000円大台にタッチすることもなかった。
週初から米国の関税政策に対する不透明感が重しとなった。7日には、トランプ大統領が日本に対して25%関税を8月1日から賦課することを発表した。7月9日の交渉期限が延長される形となったこと、35%の水準にまで引き上げられる可能性も意識されていたことから、大きなネガティブサプライズにはつながらなかったものの、関税交渉に対する楽観的な見方などは後退する方向となった。
また、ETF(上場投資信託)の分配金捻出に伴う売りが需要の発生も先週は想定されていたため、需給面での上値抑制要因になったとみられる。週後半にかけては長期金利低下に伴う米国半導体株の上昇などが支援となるも、週末には指数寄与度の高いファーストリテイリングが決算発表を受けて大幅安となり、日経平均の足を引っ張る形となっている。
なお、7月第1週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を5775億円買い越し、先物は2000億円売り越したものの、合計3775億円の買い越しとなった。12週連続での買い越しとなっている。一方、個人投資家は現物を981億円売り越すなど合計で1142億円売り越した。そのほか、事業法人が合計で2353億円買い越した半面、投信は合計で1657億円の売り越しだった。
今週は、海外で注目度の高い企業の決算発表が複数予定されているほか、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策などを見極めるうえで注目される経済指標なども発表される。それぞれ短期的な株価インパクトにつながる可能性はあるが、今週末には参院選を挟む3連休が予定されていることで、週末にかけてはポジション整理の動きが中心となる様子見ムードへと移行しそうだ。
米国では今週から4-6月期の決算発表が本格化してくる。主要金融機関の決算発表が集中するほか、J&J、GE、ネットフリックスなども発表予定。ただ、それ以上に注目されるのは、16日の蘭ASML、17日の台湾TSMCなど半導体大手の決算となろう。ASMLは前回の決算で受注の下振れがマイナス視されたほか、米国関税の影響も警戒されているため、決算評価へのハードルはそれほど高くないとみられる。TSMCは先に4-6月期の売上高を発表し、市場予想を上回る水準となっている。
米国では先に、エヌビディアやマイクロンが3-5月期の好決算を発表していることもあり、今回の2社もそれぞれ、米半導体株高を通して、日本株の支援材料につながる可能性がありそうだ。なお、熊本第2工場の延期が先に伝わっていることで、TSMCの決算に対しては、米国企業ほど国内関連企業の評価は高まりにくい公算もある。