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ビジネス

《東証が果たした役割とは?》FIREした元証券アナリスト・さかえだいくこさんが解説する「オワコン扱いだった日本株」が評価されるようになった理由

お金は儲かりそうな場所を好む

 お金は儲かる場所、儲かりそうな場所を好みます。これは、世界中どこでも同じです。米国の株式市場にたくさんのお金が集まるのは、世界中の投資家が、そこに儲かりそうな企業、あるいは現に儲かっている企業がたくさん上場している、と考えているからです。ほかの国の市場や資産においても同様で、たとえば日本株よりほかの国の株式が儲かると投資家に思われれば、お金はその国の市場へ向かいます。

 2023年から2025年初頭にかけて、中国では景気が低迷し、欧州景気も冴えない状況が続きました。そうなると、お金は中国や欧州の株式市場ではなく、投資家が「ここなら儲かりそうだ」と考えるところへ向かいます。そんなところに前述の東証の「お願い」で株価上昇の状況が発生したため、多くの投資家の目が日本に向き、日本株に資金が集まりやすい環境が生まれています。世界第2位の株式市場であることも、その選択を後押しするでしょう。

日本株にお金が集まる好循環

 株主になることで得られるリターンが2つあります。ひとつは、株価が上昇することによって得られるリターン、キャピタルゲインです。もうひとつは、配当金という形で得られるインカムゲインです。株価は上がったり下がったりしますが、配当金は株価ほど頻繁には変化しません。

 近年、日本市場では後者の配当金を増やす上場企業が増えています。つまり「増配」です。株価の上げ下げに関係なく、投資家の手元に入ってくる現金が増える傾向があるということです。加えて「自社株買い」も増えています。株式を発行する上場企業が自社の株を買うと、市場に流通している株の数が減るので、1株当たりの価値が上昇するだろうと市場で受けとられる傾向があります。これにより、株価の上昇につながりやすくなります。

 東証の「お願い」が、これらの動きのきっかけになっています。そして今後も、そうした状況がしばらくは続くと世界の投資家に見られていることから、日本株にさらにお金が集まってくる好循環が生まれているのです。

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