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キャリア
人気精神科医が解説する「大人の勉強法」の真髄

15ヶ国語を話せるようになったマルチリンガルの「勉強は大変じゃない」の言葉からわかる“長所を伸ばす勉強法の極意”

たくさんの言語を習得するほど新しい言葉を覚えるのが楽になるという(イメージ)

たくさんの言語を習得するほど新しい言葉を覚えるのが楽になるという(イメージ)

 生成AI(人工知能)の台頭が象徴するように日進月歩でテクノロジーが進化する中、人間にも最新情報やスキルの習得によるバージョンアップが求められている。新たなスキルや知識を身につける「リスキリング」への注目が高まり、「転職」によるキャリアアップを目指す際にも継続的な勉強が不可欠だ。それを成し遂げる戦略が、自分の得意な分野、能力をさらに伸ばす「長所進展」と不得意な分野、苦手な部分を克服する「短所克服」のための勉強法だ。具体的にはどうすればいいか。

 これまで10万人以上に教え、SNSでは100万人超のフォロワーを有する精神科医の樺沢紫苑氏が、「勉強法」の真髄を語りつくした著書『勉強脳』より一部抜粋、再構成して15カ国語を話せる人の「長所進展」勉強法について解説する。【前後編の前編】

マルチリンガル攻略のノウハウで長所進展を加速する

 15ヶ国語を話せるというマルチリンガルの方とお会いしました。

「15ヶ国語も勉強するって大変でしょう?」と質問すると、「全然、そんなことないですよ。2つ目の外国語を習得するのは、最初の半分の時間で、3つ目は3分の1の時間、4つ目は4分の1の時間でできます。その後は、それらをもとに、文法や単語の共通点、相違点を覚えればいいだけなので、たくさんの言語を習得するほど、新しい言葉を覚えるのがドンドン楽になりますよ」と涼しい顔でおっしゃっていました。

 インターネット・メディアの攻略はまさに同じパターンだと感じました。私が最初にメルマガを立ち上げたときは非常に苦労しました。3年がかりでメルマガ読者を10万人まで増やしました。次にTwitter(現在はX)をやったときは6ヶ月ほどでフォロワー15万人を獲得しました。次にFacebookを始めたときは、数ヶ月でフォロワー15万人を獲得。1つ攻略できれば、2つ目は2分の1、3つ目は3分の1という感覚は、私の経験にもピッタリと当てはまります。

 これは、心理学的にも証明されています。以前に行われた学習が、のちの学習に影響を及ぼすことを、「学習の転移」といいます。過去の経験や学習が、その後に行われる後続学習と類似性や共通点が多いほど、学習にプラスに作用する。つまり、少ない時間で楽に習得できるのです。

 例えば、コンサートでバンド演奏を見ていると、ギターを演奏していた人が、次の曲ではベースを演奏し、次の曲ではウクレレを、その次の曲ではバンジョーを演奏している、という場面を見かけます。1人で4つも楽器を演奏できるなんて凄いなあと思いますが、弦楽器を1つ習得すれば、2つ目の弦楽器の習得は短時間で可能となり、1人でいくつもの楽器を演奏できるという状態になるのです。

 長所伸展で、最初に自分の得意な教科、科目、分野、領域を1つ攻略する。そうすれば、「学習の転移」効果によって、次の勉強が物凄く楽になり、2つ目の教科や分野を次々に攻略できる。マルチリンガルの多言語攻略のノウハウを借用すれば、あなたの自己成長は猛烈に加速します。そのための第一歩が、「長所伸展」というわけです。

※樺沢紫苑著『勉強脳』(サンマーク出版)より一部抜粋して再構成

■後編記事につづく:人気精神科医が教える「短所を克服する勉強法」の極意 アウトプットを活用して自分の「無知」の部分を意識していけば猛烈に自己成長が加速する

【プロフィール】
樺沢紫苑(かばさわ・しおん)/神科医、作家。1965年札幌生まれ。札幌医科大学医学部卒。2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTube(62万人)、X(26万人)、メールマガジン(12万人)など累計100万フォロワーに情報発信をしている。著書55冊、累計発行部数260万部のベストセラー作家。シリーズ累計100万部突破の『アウトプット大全』(サンクチュアリ出版)をはじめ、『読書脳』、『記憶脳』(サンマーク出版)、『神・時間術』(大和書房)、『ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)など話題書多数。

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