いま注目の在宅副業とは(写真:イメージマート)
天井が見えない物価高、円安、不安定な世界情勢──いくらお金があっても足りないと感じる昨今、副業に挑戦するのは合理的な行動だ。いまや在宅で気軽にできる仕事も増えている。そのためのノウハウを紹介しよう。【前後編の前編】
止まる気配のないインフレと物価高。日銀が3月に開いた金融政策決定会合では政策金利を0.5%に据え置くことを決定したが、経済の先行きは不透明だ。こうした状況を受けて、家計を助け、老後資金の糧になるようにと副業に取り組む女性が増えている。なかでも注目されているのが、自宅にいながらにしてできる在宅副業だ。コロナ禍を経て在宅スタイルが定着したことで、自宅で副業に取り組みやすい環境を生み出し、業種も多様化している。さらに、副業評論家の藤木俊明さんは女性らしい前向きな要因も多いと分析する。
「スマートフォンひとつでできる仕事が増え、子育てや介護で外に出られない人も在宅副業に取り組みやすくなりました。趣味や特技を生かした副業を通じて、社会参加をするという考えが女性の間に浸透してきたという風潮もあります」
副業を始める人を支援する趣味起業コンサルタントの戸田充広さんも、趣味を生かして収入を得たいと考える女性が増えたと話す。
「一般的なアルバイトやパートと異なり、副業は好きな時間に好きなことをしてお金を稼げるのが大きなメリット。女性は男性よりも興味の幅が広い人が多く、自分自身が楽しみながらお金を稼げる副業に向いていると思います」
副業が本業に与えるメリットも大きい。藤木さんの知り合いの女性(40代)は、会社員でありながら育休の合間を使ってライターの仕事を始めた。丁寧な仕事が評判になり、月に最高で5万~6万円ほど稼げるようになったという。副業が軌道に乗ることでもたらされる思わぬ波及効果について、藤木さんが言う。
「ライターの仕事を経験したことで、社内文書の作成やコミュニケーションのコツを掴み、本業もうまく回り始めたそうです。副業で金銭的な余裕もできたうえ、会社で重宝されるようにもなり、精神面のゆとりにもつながった。在宅副業がもたらすのは収入だけではないのです」