閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
キャリア
人気精神科医が解説する「大人の勉強法」の真髄

人気精神科医が教える「短所を克服する勉強法」の極意 アウトプットを活用して自分の「無知」の部分を意識していけば猛烈に自己成長が加速する

猛烈に自己成長が加速する勉強法とは?(イメージ)

猛烈に自己成長が加速する勉強法とは?(イメージ)

 生成AI(人工知能)の台頭が象徴するように日進月歩でテクノロジーが進化する中、人間にも最新情報やスキルの習得によるバージョンアップが求められている。新たなスキルや知識を身につける「リスキリング」への注目が高まり、「転職」によるキャリアアップを目指す際にも継続的な勉強が不可欠だ。それを成し遂げる戦略のが、自分の得意な分野、能力をさらに伸ばす「長所進展」と不得意な分野、苦手な部分を克服する「短所克服」のための勉強法だ。具体的にはどうすればいいか。

 これまで10万人以上に教え、SNSでは100万人超のフォロワーを有する精神科医の樺沢紫苑氏が、「勉強法」の真髄を語りつくした著書『勉強脳』より一部抜粋、再構成して自分の無知を見極める「短所克服」勉強法について解説する。【前後編の後編。前編から読む

「アウトプット」によって自分の「無知」をあぶり出す」

 哲学者ソクラテスの言葉に「無知の知」というものがあります。自分の「無知」を知っている人が最も賢い、ということです。これは、凄い発見だと思います。

 勉強法においても、「無知の知」という発想は大いに役立ちます。自分が何を知っていて、何を知らないのかを明らかにすることが、物凄く大切です。「自分が何を知らないのか」が明らかになれば、その知らない部分を勉強すればいいだけです。

 何か教科書を暗記するにしても、「記憶されていない」部分が明らかになれば、その部分を徹底的に暗記すればいい。それを繰り返していけば、必ず満点がとれます。自分の「無知」な部分がドンドン、少なくなっていくわけですから。

 では、自分が何を知っていて、何を知らないのかを明らかにするにはどうしたらいいのか? それは、「アウトプット」をすればいいのです。「アウトプット」しない限り、自分が何を知っていて、何を知らないのかは明らかになりません。

 例えば、「問題集を解く」というのもアウトプットの1つです。問題集を解いて間違えれば、自分の「知らない」部分が明らかになります。人に教えていて、上手に説明できなければ、自分の「知らない」部分が明らかになります。

「教科書を読み直す」ことは、アウトプットではなく、インプットに相当します。つまり、教科書を何度も読み直すようなインプット中心の勉強では、「自分が理解できていない部分」を発見することができないので、いつまでも「無知」のままなのです。

 自分の「無知」な部分を発見して、「無知」な部分を徹底して強化することで、自己成長が猛烈に加速する。これが「無知の知勉強法」です。しかし、言葉でいうのは簡単ですが、実際には簡単ではありません。

 ソクラテスの言葉のように、「無知の知」の境地に達した人は本当の賢人であり、普通の人が「無知の知」を自覚することは非常に難しい。

能力が不足している人は、自分の能力不足に気づかない

 現在では、これは心理学でも証明されています。

 心理学者ダニングとクルーガーは、被験者たちに論理的推論についての試験を行い、自分の成績を見積もらせたところ、平均成績が下位「12%」の学生は、自分の論理的推論能力を「68%」と物凄く高く推定したのです。成績が悪い人ほど、自分はそれほど成績が悪くないと認識している。能力が不足している人は、自分の能力不足に気づかない。これは、「ダニング=クルーガー効果」と呼ばれます。

 本当に「無知」な人ほど、自分を「賢い」と思い込んでいて、「無知」と認識することができない。それだけ、「無知の知」の境地に達することは難しいのです。

 しかしながら、テストを受けたり、問題集を解いたり、人に説明したり、「アウトプット」をすることによって、自分の「無知」の部分が明確にあぶり出されます。

 アウトプットを活用して、自分の「無知」の部分を意識し、そこを強化していく。「無知の知勉強法」をすることで、猛烈に自己成長が加速します。

※樺沢紫苑著『勉強脳』(サンマーク出版)より一部抜粋して再構成

■前編記事から読む:15ヶ国語を話せるようになったマルチリンガルの「勉強は大変じゃない」の言葉からわかる“長所を伸ばす勉強法の極意”

【プロフィール】
樺沢紫苑(かばさわ・しおん)/精神科医、作家。1965年札幌生まれ。札幌医科大学医学部卒。2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTube(62万人)、X(26万人)、メールマガジン(12万人)など累計100万フォロワーに情報発信をしている。著書55冊、累計発行部数260万部のベストセラー作家。シリーズ累計100万部突破の『アウトプット大全』(サンクチュアリ出版)をはじめ、『読書脳』、『記憶脳』(サンマーク出版)、『神・時間術』(大和書房)、『ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)など話題書多数。

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。