閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
住まい・不動産

マンションの“大規模修繕”をめぐるトラブルが増加 「修繕積立金」を狙う業者が工事の内容などを都合のいいものに“誘導”

「修繕積立金」が狙われている(写真:イメージマート)

「修繕積立金」が狙われている(写真:イメージマート)

 新築マンションが高騰し、築10年程度の物件も大きく値上がりしている。では、築年数が経ったマンションがいいのかというと、今度は「大規模修繕工事」という難題に直面することになる。建築資材や人件費の高騰に加え、長年払い続けてきた「修繕積立金」を狙う“悪いヤツら”がいるのだ。

「大規模修繕をめぐって揉めごとがあったんです。すでに決まっていた外壁の修繕工事について、住民たちで組織する管理組合の一部から『待った』がかかったのです」

 そう明かすのは千葉県にある大規模マンションに住む60代の男性だ。複数の棟からなるこのマンションは最寄り駅から10分ほどに位置し、周辺には自然豊かな散歩コースや公園がある。一方、建物自体は築20年以上が経過している。なぜ外壁工事が中断したのか。

「工事の発注先を決める修繕委員会の話し合いを主導したのが、実は建設会社OBの住民だった。どうやら彼は自身の元勤務先の関係会社に発注しようと強引に話をまとめていたようです。ここは棟ごとに管理組合があるのですが、その情報を知った別の管理組合の一部が、契約前にNOを突きつけたのです」

 その後、工事は1年以上延期されたままだという。男性は「新たに決まった業者の工事が来年始まる見込み」だというが、不信感を募らせている。

狙われる「修繕積立金」

 マンションの「大規模修繕」は建設時に策定された計画に沿い、管理組合が主体となって工事を発注するのが一般的だ。近年は人件費や資材の高騰など様々な要因で「修繕積立金」が値上がりする傾向が顕著だが、冒頭で紹介したマンションを含め、そうして集められた資金が“狙われている”という現実がある。個人向け不動産コンサルタント業を手がける株式会社さくら事務所副社長の山本直彌氏が語る。

「マンションの大規模修繕工事は一般的に12~15年周期で実施することが国土交通省のガイドラインにも書かれています。高騰する築浅物件を避けて購入されるマンションなどは、大規模修繕を控えているケースが多い。

 そうしたなか、戸数が多いマンションや投資用など住民の管理意識が緩いところでは、住民たちがプールしてきた『修繕積立金』を狙う業者が工事の内容などを都合のいいものに“誘導”する問題が起きている」

 では、実際にどのような形のトラブルが発生しているのだろうか。マネーポストWEBの関連記事《【管理組合が喰い物に】マンションの大規模修繕を巡るトラブルが増加 資金の不正出金、公示価格の談合、“居住者になりすます業者”まで登場…悪いヤツらの実態》では、マンション管理組合が食い物にされる現状について、図解入りで詳しく紹介している。

※週刊ポスト2025年8月8日号

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。