億り人投資家・ようこりんさんは「年末に向けて注目しているセクターがある」という(写真:イメージマート)
日経平均株価が4万円台を回復し、株高ムードも高まっているが、米国の景気悪化懸念や日本の政局の不安定さなど、株式市場を取り巻く不安材料は少なくない。投資で1億円以上の資産を築いた“億り人”は今後の相場をどう読み、どのような投資戦略で臨もうとしているのか。人気ブロガーで資産1.8億円の専業主婦投資家として知られる「ようこりん」さんに話を聞いた。
この1年の相場展開を振り返ると、2024年の8月には、米国の金利政策や貿易摩擦が懸念され、日経平均が大幅下落する“令和のブラックマンデー”があった。そして今年4月には米トランプ大統領が輸入品への一律関税と相互関税を発表したことによる“トランプ関税ショック”も経験した。そうした2度の暴落を経て、日経平均は4万円台で推移しているわけだが、ようこりんさんは「年末に向けては、基本的にボックス相場が続くのではないか」と予想する。その根拠はなにか。
「相場全体として一時的に日経平均が4万5000円ほどまで達する可能性もありますが、業績が良さそうな企業については、すでにそれが株価に織り込まれている状況だと思うので、ひたすら右肩上がりが続く相場にはならないと思います。
では下がるかというと、大幅に下がるというのも考えにくい。この1年の間に2回の暴落がありましたが、日経平均の長期チャートを見ると、2024年8月と2025年4月を底値とする、きれいな“ダブルボトム”になっている。ダブルボトムとは、2つの同水準の安値をつけた後にその後の株価が反発していくという、ポジティブなチャートパターンです。今後は、この2回の底値を下回るような大きなショックが起こらない限り、株価トレンドが下方向に変わることはないと思います」
リーマン・ショック時より株価が下がっている銘柄も
当面はボックス相場を想定するようこりんさんが、年末に向けて注目しているセクターは、「現状の株価水準に“違和感”があるセクター」だという。
「私の投資スタイルはバリュー投資なので、いろいろな業界の株価が右肩上がりの中で、下がりすぎている業界や銘柄はつい気になって、仕込みのタイミングをうかがいます。最近、株価が下がりすぎだな、と注目しているセクターは陸運業と化学ですね。日経平均が7000円台まで落ち込んだリーマン・ショックの時よりも安い銘柄があるほどです。陸運業の中には50年前の株価に戻っているような銘柄もあります。鉄道系のディフェンシブ銘柄などがこれ以上下がるようなら、喜んでナンピン買いしたいと思います(笑)」