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ライフ

工事現場での爆発事故に巻き込まれて自宅が破損…損害賠償はどこに請求すべきか? 原因によって異なる“責任の所在”について弁護士が解説

 占有者の注意義務は土地の利用履歴によって違い、工場用地であった土地なら危険物、空襲に見舞われた土地なら不発弾などの地中埋設物の調査を専門業者に依頼して工事前に行うのが普通です。調査には費用と時間がかかるので、施主、工事業者、調査会社の三者で調査の精密さの程度を協議して決めます。

 もし調査作業中に慎重さを欠いた作業で爆発事故を起こせば、調査会社に過失があったことになり、爆発の被害者との関係で不法行為をしたものとして賠償義務を負います。現場の占有者である工事業者も注意義務を尽くしたといえないので免責されないでしょう。調査を施主が依頼した場合は、調査中は施主が現場を占有していたといえ、責任を負います。

 工事業者が調査に見落としがあって工事中に事故を起こした場合には、見落とした調査会社と共に工事業者が占有者としての責任を負い、免責を受けることはないでしょう。

 しかし、必要な調査を尽くしても発見不可能な場合であれば、占有者は免責され、最終的に土地所有者が責任を負うことになります。

 以上のように、原因によっては工事業者や土地所有者に賠償請求できます。

【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。

※女性セブン2025年8月21・28日号

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