「今秋以降、需要の先食いの反動が襲ってくる」
ちょる子さんが挙げるもう1つのポイントが、国内情勢だ。7月20日に投開票が実施された参院選では、与党が改選過半数を割り込む結果となった。少数与党となった現在の政局に、ちょる子さんは今年後半の相場を読み解く鍵があると語る。
「首相交代の声が聞こえてきますが、今後、首相の責務を誰が担うのかによって為替も株価も連動して大きく動くのではないかと思います。石破茂・首相がこのまま続投となれば、マーケットは円高・株安方向に動くシナリオが有力です。これまでの政策姿勢を踏まえれば、緊縮志向や増税ムードが再燃する可能性があるためです。
逆に、新首相に積極的な財政出動を掲げる保守色の強い人物が選出されれば、円安・株高の方向に振れるのではないかと見てます。これは、より緩和的な経済運営が意識されるためです」
個人消費がなかなか伸びない日本に対し、米国では今春、消費者は購入に走り、企業は輸出を加速させた。ちょる子さんは、「これはトランプ関税に先んじた需要の先食いの状態であり、今秋以降にその反動が襲ってくる」と予測している。先食いによる好況は長続きせず、年後半にはマーケットが景気後退局面を織り込む展開となるというのが、ちょる子さんの見立てだ。
そうしたシナリオを踏まえたうえで、具体的にどのような投資戦略をとるべきか。また、いま注目の銘柄はなにか。関連記事『資産2.4億円の子育てママ投資家・ちょる子さんが厳選「年内に株価上昇期待」の4銘柄 注目すべきは「有望セクターのトップ企業」、米関税政策の軌道修正も追い風に』で詳しく解説していく。
【プロフィール】
ちょる子/大手企業の営業職やマーケティングなどを経て、企業の価値向上をサポートするPR支援事業で独立。仕事と子育ての傍ら、高配当銘柄、優待銘柄、日経先物、個別株のデイトレードなど、マルチな投資スタイルで2024年1月に資産2億円超えを果たした個人投資家。X(旧Twitter)アカウント:@kabu_st0ck
取材・文/小野雅彦