先週の日経平均は週間で300.28円高
投資情報会社・フィスコが、株式市場の9月1日~9月5日の動きを振り返りつつ、9月8日~9月12日の相場見通しを解説する(※5日20時執筆)。
* * *
先週の日経平均は週間で300.28円高(+0.70%)の43018.75円で取引を終了。週前半は売り先行となったものの、週後半にかけて切り返す展開になった。前週末の米ハイテク株安を映して、週初は半導体関連を中心に大幅下落となる。財政不安を背景とした米国の長期金利上昇なども売り材料視された。
ただ、週後半は米ハイテク株の反発を受けて、半導体・AI関連を中心に押し目買いの動きが優勢となった。米雇用統計を控えた週末も、米ブロードコムの好決算発表などが買い安心感を誘い、半導体関連の強い動きが継続した。また、トランプ米大統領による自動車関税引き下げの大統領令への署名を受けて、関税の引き下げ時期を巡る不透明感が後退したことも買い材料視される形となった。
なお、8月第4週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を2867億円売り越したほか、先物を2200億円売り越しており、合計5067億円の売り越しとなった。4週ぶりの売り越しとなる。一方、個人投資家は現物を3810億円買い越すなど、合計4198億円の買い越しとなっている。ほか、事法が4148億円、自己が2776億円の買い越しとなっている。
今晩発表される8月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比7万5000人増程度にとどまる見通しとされている。大幅な上振れがない限り、9月16-17日に開催予定の連邦公開市場委員会(FOMC)における0.25%の利下げは確実視されることになろう。本日の米国市場でも買い安心材料とされる公算が大きく、週明けの東京市場にとっても、グロース株を中心に支援材料とされてこよう。
ただ、ここまでで、9月FOMCでの0.25%利下げは十分に織り込まれてきているとみられ、徐々にFOMC後の出尽くし感を警戒する必要性も高まりつつあるように感じる。一方、雇用者数がマイナスとなるような想定以上の悪化が見られた場合、利下げ幅が0.5%に広がるとの見方もなされようが、それ以上に景気悪化の深刻化をネガティブ視するような動きにつながる可能性が高いだろう。