独創的な作品が魅力のインディーゲーム(イメージ)
人気ゲームを実写化した映画『8番出口』(8月29日公開)が、大ヒットを記録している。公開から3日間の興行収入は9億5400万円と、今年公開された実写映画の中でトップ。9月5日には観客動員数100万人を突破したことが発表された。
同作の原作となったゲーム『8番出口』は、ゲームクリエイターのKOTAKE CREATEによって開発され、2023年11月29日にSteamにて配信。その後、Nintendo SwitchやPlayStation4/PlayStation 5など、各プラットフォームでも配信されている。
ゲームの内容は、地下鉄の駅構内を歩き、「異変」を探しながら、8番出口に向かうというシンプルなものだ。「0番」から始まり、正しい選択をすることで「1番」「2番」と進んでいくが、一度間違うと「0番」に戻ってしまうというシステムで、試行錯誤しながら8番出口を目指す。
広大なマップがあるわけでも、複雑なアクションがあるわけでもなく、ゲーム内の要素は数時間でコンプリートできるが、斬新ながら直感的にプレイできるシステムと、なんとも言えない不気味な雰囲気がゲームファンの間で噂を呼び、大ヒット。インディーゲーム界には数多くの類似ゲームが登場し、『8番出口』に影響を受けたゲームは、“8番ライク”というジャンルで括られるまでになった。
インディーゲームにしかない魅力
地下鉄の駅構内を歩き「異変」を探しながらゴールを目指す『8番出口』(STEAMのホームページより)
『8番出口』のような、個人や小規模なチームによって低予算で開発されたゲームを“インディーゲーム”と呼ぶ。ゲーム事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏は「その世界にしかない魅力」を指摘する。
「ゲームのダウンロード配信が普及し、インディーゲームは今やポピュラーなものになっています。ピンからキリまでいろいろありますが、ヒットする作品、あるいは話題になる作品に共通している特徴は、一般的なメジャーゲームに比べてクリエイターの独創性が色濃く反映されていること。『8番出口』などはまさにその典型例です。また、メジャータイトルに比べて、概ね価格が安く設定されており、手を出しやすいという特徴もある。ライトユーザーが気軽にプレイできるゲームもあれば、複雑でコア向けのゲームもあり、自分に合ったゲームを探すのも楽しいものです」