都営新宿線の勝ち組駅はどこか(写真:イメージマート)
副都心の「市ヶ谷」や再開発が進む「浜町」、繁華街の「新宿三丁目」、城東の「住吉」や「西大島」など、都営新宿線は多様な顔を持つ東西に延びる基幹路線だ。近沿線では「船堀」をはじめ再開発が進み、ツインタワー建設が構想されるなど注目のプロジェクトも控えている。
人気路線だけに気になるのは不動産価格の行方だ。国税庁が発表した「2025年(令和7年)分の路線価」によれば、全国の標準宅地の平均変動率は前年比2.7%増と、2010年以降で最大の伸びを記録。都営新宿線沿線も含めた東京都の上昇率は平均8.1%増と全国平均を大きく上回った。
不動産市場全体を見れば上昇基調が続いているものの、少子高齢化が進むことから、東京都の人口も遠からずピークアウトすると見込まれている。同一沿線内であっても、すべての地域が同じように伸び続けるわけではなく、「駅」によって勝ち組と負け組が分かれることが予測される。
その将来像を「駅」ごとに可視化したのが、不動産コンサルタント会社リーウェイズのAI分析だ。5億件以上の物件データと、国土技術政策総合研究所が2024年に公表した『将来人口・世帯予測ツール』をもとに、2025年と2035年の予測人口を比較。不動産価格と密接に関わるとされる人口増減を駅単位で算出し、ランキング化した。都内ベスト200とワースト200のうち、都営新宿線の駅に絞って分析すると、本八幡(千葉県)を除く都内20駅のうちベスト200にランクインしたのは9駅、同ワースト200に入ったのは3駅だった。
単一路線依存が弱点に
不動産市場に詳しい株式会社さくら事務所代表取締役副社長でCOOの山本直彌氏は「基本的に不動産価格は需給バランスで決定され、人口増減はその地域の不動産価格に直結する重要な要素になる」としたうえで、ランキングをもとに都営新宿線の特徴を語る。