三菱重工は、豪州への改良型「もがみ型護衛艦」の共同開発・生産契約を獲得(写真:イメージマート)
三菱重工(東証プライム・7011)の株価が、中長期的に右肩上がりで推移している。業績は過去最高を更新し、3年で15倍もの株価上昇となっている。なぜ同社株は市場で評価されているのか。また、今後の見通しはどうなるのか。今回は、三菱重工の株価上昇を支えた事業の強みや今後の成長戦略について、億り人投資家で経済アナリストの古賀真人氏が解説する。
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ここ数年で株価が数倍に上昇した三菱重工業。2022年には270円前後だった株価は2025年8月には最高値で4124円と4年弱で15倍もの株価上昇となり、いまも高値圏で推移している。
株価上昇の背景には、防衛装備拡充など「軍需」がテーマ化していることがある。国策と市場の思惑の両方が重なった結果として、同社株は新たな成長ストーリーを歩んでいる。
今回は、軍需が世界的に注目されている構造的な要因を整理したうえで、日本国内の防衛費の動向、三菱重工の強みと実績、そして今後の成長ドライバーについてまとめていきたい。石破政権から政権交代となるにあたって、新政権から防衛や安全保障、地政学リスクに対する方針が改めて発表されることを考えれば、新たな仕込み時となる可能性や大きな押し目をつける可能性も考えられる。今、まさに三菱重工業について考えておく時期と言ってよいだろう。